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手術まで「4年待ち」の心臓移植、患者と家族の長期滞在施設を計画

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 国内屈指の心臓移植拠点で、全国から患者が集まる大阪大病院と国立循環器病研究センター(ともに大阪府吹田市)の移植待機患者や家族のために、長期滞在施設の建設計画が進んでいる。用地は確保できており、待機期間が平均4年余りに及ぶ患者たちが「安心して長く過ごせる施設に」と早期建設を目指す。

 計画を構想したのは、澤芳樹・大阪大名誉教授や、川島康生・同センター名誉総長など心臓外科の第一人者ら。

手術まで「4年待ち」の心臓移植、患者と家族の長期滞在施設を計画

 待機患者の多くは、移植までの「つなぎ」として補助人工心臓をつけるため、その管理やトラブルに対応できるよう病院の近くで暮らす必要がある。転居を伴うケースも多く、患者本人や家族の経済的、精神的負担が課題となっている。

 国内の年間心臓移植件数の3~5割を手がける両病院は、待機患者が計200~300人と多い。大半が近くの賃貸住宅などで暮らし、近隣にある公益財団法人が運営する低料金の宿泊施設は、原則28日間までの利用だ。患者のための居住型の施設が望まれていた。

 吹田市の篤志家が約5年前、両病院から約2キロ・メートルの距離にある土地約1100平方メートルの無償提供を患者支援団体に申し出た。これを受け、医師有志らが長期滞在施設を構想。2019年3月、一般財団法人「ハートウォーミング・セイシン」を設立した。

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移植待機患者用の長期滞在施設の完成図=ハートウォーミング・セイシン提供

 施設は4階建てで、6家族が暮らせる。居室は2LDKで、入居者の交流スペースも設ける。利用料は月3万~5万円を想定する。

 建設費は寄付で賄う予定で、目標額は3億~5億円。患者支援に長年携わってきた元厚生労働次官の村木厚子・津田塾大客員教授は「医療と福祉のはざまで行政の支援が届きにくい上、臓器提供者が現れるのを待つという性質上、患者さん自身も声を上げにくい。この施設がモデルケースになれば」と期待する。

 支援や寄付の問い合わせは同法人(電話090・9543・2373)まで。

手術実施は年間100人未満

 日本臓器移植ネットワークなどによると、2021年9月末現在、国内では926人が心臓移植を希望している。だが、臓器提供者不足が続き、移植を受けた患者は近年、年間50~90人にとどまる。コロナ禍で提供者が減り、21年1~8月に移植を受けた患者の待機期間は平均4・2年、1999年以降で最長だった。

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