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Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」

医療・健康・介護のコラム

がんになって、悩みや不安がいっぱい……。誰に相談すればいいの?

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がんになって、悩みや不安がいっぱい……。誰に相談すればいいの?

イラスト:さかいゆは

 「がんと診断されたけど、青天の 霹靂(へきれき) で、頭は真っ白。私はどうすればよいのか……」

 「すぐに治療を始めると言われたけど、大事な仕事の予定があって、調整が難しい。もう仕事は続けられないのか……」

 「担当医から説明があったけど、難しい言葉ばかりで、よくわからない。『この治療を受けますか?』って聞かれても、どうやって判断すればよいのか……」

 「もう不安で不安で、逃げ出したい気持ちなのに、家族に話してもわかってもらえない。誰かに話を聞いてほしい……」

悩みは一人で抱え込まない

 がんと診断されたとき、がんの治療を受けているとき、がんの症状や治療の副作用でつらいとき……。がんの患者さんは、常にいろいろな悩みや不安を抱えています。病気や治療に関することは、一番身近な専門家である担当医にその都度相談することをお勧めします。

 ただ、医師は忙しそうで、外来診察の限られた時間の中では相談しにくい、という方も多いようです。医師以外にも、看護師や薬剤師などがいますので、相談しやすい医療者に相談するのでもよいと思います。また、医療の専門家でなくても、家族や友人にお気持ちを伝えることで、悩みや不安が和らぐこともありますので、身近な方に相談するのもよいでしょう。いずれにしても、自分一人で抱え込むことなく、誰かに相談してほしいと思います。

ぜひ、「がん相談支援センター」ヘ

 気軽に相談できる医療者がいない場合や、もっと詳しく具体的な話を聞きたい場合、担当医には言いにくいことを相談したい場合、家族や仕事に関する悩みを相談したい場合など、どんな状況でも、どんな相談にも乗ってくれる場所があります。「がん相談支援センター」です。

 がん相談支援センターは、全国に400以上ある「がん診療連携拠点病院」などに設置されています。もし、がん診療連携拠点病院にかかっているのであれば、そこで相談すればよいですし、そうでない場合は、お住まいの近くの がん診療連携拠点病院 を探して、そこのがん相談支援センターに相談してみましょう。

 がん相談支援センターは、患者さんご本人、ご家族はもちろん、どなたでも無料で相談できます。対面で相談するだけでなく、電話での相談も可能です。匿名でも相談可能です。相談内容を、相談者の了解なしに、担当医や他の人に伝えることはありません。

 内容によって、看護師、医療ソーシャルワーカー(MSW)、臨床心理士(公認心理師)などが対応します。お話をうかがい、質問にお答えし、必要な資料をお渡しし、情報集めのお手伝いをします。院内で受けられる医療を紹介して調整したり、他の医療機関を紹介したりします。担当医とは別の医師の意見を求める「セカンドオピニオン」をお勧めすることもあります。より専門的な対応が必要と判断されるときは、院内外の適切な専門家を紹介し、行政サービスや支援制度も紹介します。

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高野 利実 (たかの・としみ)

 がん研有明病院 院長補佐・乳腺内科部長
 1972年東京生まれ。98年、東京大学医学部卒業。腫瘍内科医を志し、同大附属病院や国立がんセンター中央病院などで経験を積んだ。2005年、東京共済病院に腫瘍内科を開設。08年、帝京大学医学部附属病院腫瘍内科開設に伴い講師として赴任。10年、虎の門病院臨床腫瘍科に部長として赴任し、3つ目の「腫瘍内科」を立ち上げた。この間、様々ながんの診療や臨床研究に取り組むとともに、多くの腫瘍内科医を育成した。20年、がん研有明病院に乳腺内科部長として赴任し、21年には院長補佐となり、新たなチャレンジを続けている。西日本がん研究機構(WJOG)乳腺委員長も務め、乳がんに関する全国規模の臨床試験や医師主導治験に取り組んでいる。著書に、かつてのヨミドクターの連載「がんと向き合う ~腫瘍内科医・高野利実の診察室~」をまとめた、「がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う『HBM』のすすめ―」(きずな出版)がある。

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