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完全試合の佐々木朗希投手、出場登録抹消……投球数が増えて発生する危険とは? 巨人軍チームドクターが解説

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大記録の可能性を残し八回降板、専門医としては理解できる

完全試合の佐々木朗希投手、一時登録抹消……投球数が増えて発生する危険とは? 巨人軍チームドクターが解説

佐々木朗希投手の登板で多くの観客が訪れた京セラドーム大阪(24日午後、大阪市西区で)=上田尚紀撮影

 千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手はプロ野球3年目にして、完全試合を達成、そして次の登板でも八回までパーフェクトピッチングを見せました。完全試合は1994年に槙原寛己投手が達成して以来、28年ぶりのことです。

 そして、注目すべきはその次の登板で八回までパーフェクトに抑えながら、降板したことです。2試合連続の完全試合を達成していれば、これはもう歴史的な大記録でした。読売巨人軍のチームドクターをしている私も、井口監督の決断に注目しました。賛否両論ありますが、多くの専門家からは支持する声の方が多かったのではないでしょうか。その後に出場選手登録抹消になりました。

 昔であれば、大記録を目の前にして投手交代させることはしなかったでしょうし、交代させれば、「なんで交代させる!」と監督には想像を絶する批判の嵐が巻き起こったでしょう。しかし今は、アスリートの体を優先するという認識が広がってきたと思いました。

 それでは、投手の体のどこが障害を起こしやすいのでしょうか。それは、もちろん肩や肘です。

大谷、ダルビッシュ、桑田…どうして肘を痛めるのか?

完全試合の佐々木朗希投手、一時登録抹消……投球数が増えて発生する危険とは? 巨人軍チームドクターが解説

 投球動作はいくつかの段階に分けることができます。イラストのように振りかぶって、足を前に出して投げるわけですが、腕を伸ばした「後期コッキング期」から「加速期」にかけて、肘の内側が引っ張られるような力が働きます。これを安定させているのが、肘にある「内側側副 (じん) 帯」です。力強い投球を繰り返すことで、この靱帯に力がかかるのです。これまでに大谷翔平選手、ダルビッシュ有投手、桑田真澄投手など、この靱帯を傷めて手術した野球選手は数多くいます。

完全試合の佐々木朗希投手、一時登録抹消……投球数が増えて発生する危険とは? 巨人軍チームドクターが解説

 佐々木投手について、「ピッチャーはたくさん投げ込んで鍛えるものだから、降板の必要はなかった」とコメントするプロ野球OBの方もいました。では、この靱帯をトレーニングで鍛えることができるでしょうか? 答えはNOです。

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大関 信武(おおぜき のぶたけ)

 整形外科専門医・博士(医学)、日本スポーツ協会公認スポーツドクター
 一般社団法人日本スポーツ医学検定機構代表理事

 1976年大阪府生まれ、兵庫県立川西緑台高校卒業。2002年滋賀医科大学卒業、14年横浜市立大学大学院修了。15年より東京医科歯科大学に勤務。野球、空手、ラグビーなどを通じて、野球肘、肩関節脱臼、アキレス (けん) 断裂、骨折多数など自身が多くのケガを経験。スポーツのケガを減らしたいとの思いで、一般社団法人日本スポーツ医学検定機構を設立し、「スポーツ医学検定」を開催している。現在、読売巨人軍チームドクター、クリタウォーターガッシュ昭島、文京ラグビースクールでメディカル担当。19年ラグビーワールドカップでは選手用医務室ドクター、東京2020オリンピック・パラリンピックでは選手村総合診療所整形外科ドクター。八王子スポーツ整形外科、蓮江病院でも診療。

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