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なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

50代で出産できても養育は? 子供の視点が欠けた無責任な卵子提供は絶対やめて 

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遅すぎる日本の不妊治療 体外受精は40歳が最多

50代で出産できても養育は? 子供の視点が欠けた無責任な卵子提供は絶対やめて 

 日本産科婦人科学会の2019年の国内のART(生殖補助医療)データによりますと、40歳が最も多く体外受精をしていました。これについて、国は本気で考えて早急に改善していかなければいけないのではないかと思います。若者は収入面の不安から結婚に向かわないのか? 子育てとキャリアの両立が難しいのか? 結婚に興味のない若者が増えているのか? 理由は様々だと思いますが、日本の性教育が海外と比べて消極的であることも、遅すぎる子作りにつながっている面があると思います。

 とある不妊クリニックでは、2021年末までの2年間で161人に新しい治療を実施したところ、患者の平均年齢が40.3歳でした。この平均年齢の高さから感じるのは、私より10歳下の世代も、性教育がまだ十分ではないということです。その年齢から治療を始めて妊娠できない人が後々、卵子提供を考えますので、赤ちゃんを授かるのは40代後半や50代になってしまうのです。45歳以上の出産が増加傾向にあることについては、今後、学会でも方策を検討する方向のようです。

50代で出産はできても子供を養えるのか

 50歳になって卵子提供を受けようと決めても、すぐに赤ちゃんが授かるわけではないのです。エージェントやドナーを決めるのに半年や1年はかかります。1回目の移植でうまくいかず、移植を繰り返すとなると更に時間がかかり、妊娠できても出産するまでは更に10か月かかります。

 例えば53歳で出産するとなると、子供が12歳の時には65歳になります。人によっては定年退職しているかもしれません。子供が15歳で高校に入学する時には68歳になっています。大学に入る頃には71歳、年金受給者になっている人も多いでしょう。子供が22歳で大学を卒業する頃には75歳になっています。

 子供が大学に入って一人暮らしを始めれば、学費の他に仕送りなども必要になるかもしれません。また、海外の大学に留学したいと言うかもしれません。もちろん現役世代のご家庭であっても、子供の願い通りにできるかどうかは各家庭の経済状況で異なりますので一概には言えませんが、70代の夫婦が大学生の子供を養うのはかなり大変なのではないかと感じます。

 50代で出産することは可能かもしれませんが、子供を大学卒業まで養育しながら自分たちの老後も考えるというのは、誰もができることではありません。子供の福祉を考えない卵子提供は、生まれてくる子供のためにも絶対にやめていただきたいと思います。

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なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

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