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なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

50代で出産できても養育は? 子供の視点が欠けた無責任な卵子提供は絶対やめて 

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 みなさん、こんにちは。なかさとみです。今回は「高齢妊活と卵子提供」について書いてみたいと思います。

不妊治療の法整備が女性を守る

50代で出産できても養育は? 子供の視点が欠けた無責任な卵子提供は絶対やめて 

 以前に外国に住む女性からもらったメールで強く印象に残っているのが、「私の住む国では不妊治療は46歳までしかできません」と書かれていたことです。一方、こちらでは少子化相の野田聖子さんが、インタビュー記事のなかで「日本では不妊治療の法整備が進まないので、いつまでも治療を続けてしまう」とおっしゃっていました。

 法整備と言うと堅苦しさを感じる方も多いと思いますが、法整備はある意味で女性を守ることにつながると私は感じています。日本には不妊治療についての厳格な法律がないので、本人が希望すれば治療を受けることが可能です。そのため、47歳や48歳になってから不妊治療を開始する女性もいます。

 私が不妊治療をしていた8年前は「不妊治療のやめ時は45歳」と言われており、芸能人や元アスリートの方の「45歳の誕生日に不妊治療をやめました」という記事を目にする機会がありました。ところが最近では「50歳までは自分の卵子で治療をしたい」と思う人が増えています。私も、そのような方からご相談をいただいたこともあります。

 このまま何も対策をしなければ、「50歳まで自分の卵子で頑張って、ダメなら卵子提供を受ける」とか、「55歳まで不妊治療を頑張って、60歳になる前には卵子提供で産みたいよね」などと思う人が現れ、更には「50歳まで人生を 謳歌(おうか) して、50代で結婚したとしても、もし子供が欲しかったら卵子提供で子供が持てる」などと考える人が増えてしまうのではないかと思っています。

 私がブログやコラムで自分自身のことを発信するようになってから、卵子提供に希望を持ってしまう方が増えています。そこで私は「高齢女性が卵子提供を受けることは、多様性の尊重や個人の自由ではないんですよ」ということを啓発することにしたのです。それと同時に、「いざとなれば卵子提供を受ければいいじゃん」と安易に卵子提供を考える若い女性が増えないようにも啓発しています。子供の視点が欠けている卵子提供は、いかなる理由でも絶対に許されることではないと私は強く主張したいと思います。

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なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

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