産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
医療・健康・介護のコラム
部下の指導は難しい、口を開く前に上司が自ら問うべき4か条
課長も残業続きでストレスを抱え
部下に質問をしても、うまくいっていないようなので、指導をする姿勢に切りかわりました。桜井さんの受け答えがはっきりせず、イライラしてパワハラ寸前になっています。ここで緒方課長の事情に踏み込んでみましょう。彼は、連日の残業で時間外勤務が70時間を超えて疲れています。日ごろは穏やかな人物なのですが、疲労の蓄積が課長らしさを失わせているようです。しかもストレスが重なっていたようです。
助言や注意の前に必要な4か条
私は企業の依頼で管理職のメンタルへルス研修を行う時、必ずこう切り出します。「部下の指導もみなさんの重要な業務だと思います。部下に言葉をかけるのは、難しい業務だと改めて認識してください」と強調します。上司の側にとっては、なにげない言葉でも、言われた側は「叱られた」「責められた」「攻撃された」「恥ずかしい」と受け取ることが少なくないからです。部下への配慮が必要な難しい業務ですから、自分が部下を適切に指導できる状態にあるかどうか下の「4か条」を自分に問いかけてみてください。
すべてクリアしているのが理想ですが、少なくとも二つ以上、自信がない点がある時はやめてください。緒方課長には二つありました。疲れていたのと、家庭内のもめごとがありました。だから感情的になってしまったのです。
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