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抗がん剤の候補を効率的に探し出す新技術開発…iPS細胞の性質を利用

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 iPS細胞(人工多能性幹細胞)の性質を利用して、抗がん剤の候補を効率的に探し出す新たな技術を開発したと、東京大の山田泰広教授(実験病理学)らのチームが発表した。実際に効果的な治療薬がないタイプのがんに対する候補薬を見つけることができたという。論文が27日、科学誌「セル・リポーツ」に掲載される。

抗がん剤の候補を効率的に探し出す新技術開発…iPS細胞の性質を利用

候補薬を用い、マウスのがん細胞から作製したiPS細胞(塊状のもの)=山田泰広・東京大教授提供

 iPS細胞は、皮膚や血液などの体細胞に4種の遺伝子を入れることで作製できる。ところが、がん細胞では何らかの理由で、4遺伝子を入れてもiPS細胞にするのが難しいことが知られていた。

 山田教授らはこの特性を逆手にとり、がん細胞に4遺伝子を入れると同時にさまざまな化合物を加え、iPS細胞ができるかどうかを確かめる手法を考案した。iPS細胞ができれば、この化合物ががん細胞の性質を失わせたと考えられ、薬の候補になる。

 実際、効果的な薬がない「明細胞肉腫」というがんの細胞を使い、約20種の化合物を試したところ、候補が一つ見つかった。がん細胞を移植したマウスに候補薬を投与したところ、がんの増殖を抑えたという。

 平尾敦・金沢大がん進展制御研究所教授(幹細胞生物学)の話「非常にユニークな応用方法だ。効率的に抗がん剤の候補を絞り込めるほか、がんができるメカニズムの研究にも役立つ」

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