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「あの人の名前が思い出せない」は認知症? スマホの使いすぎが原因になることも…脳を鍛える訓練法とは

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「あの人の名前が思い出せない」は認知症? スマホの使いすぎが原因になることも…脳を鍛える訓練法とは

   人の名前を思い出せないことが多くて困ってるの。

  ヨミドック  加齢による「もの忘れ」かもしれませんね。年を取ると、脳内の記憶を呼び起こす前頭葉の機能が落ちて、過去に覚えたことを思い出しにくくなります。

   前頭葉?

   おでこの裏側あたりにあります。「脳の司令塔」とも言われ、脳内に記憶を取り込んだり、呼び起こしたりする働きをしています。

   認知症の心配はない?

   認知症は、記憶の取り込みのほうがうまくいかなくなります。たとえば、朝食について聞かれても、食べたこと自体を覚えていません。

 加齢によるもの忘れは、記憶を呼び出す力が落ちているので、食べたことは覚えていても、何を食べたのか思い出せません。高齢になると、どちらのリスクも高まります。

   若いのに、もの忘れが増えたという知人がいるわ。

   スマートフォンの使いすぎによるものかもしれません。東北大加齢医学研究所の実験では、スマホで言葉を検索したり、メッセージをやりとりしたりする間、前頭葉の血流が乏しく、働きが抑制されているとわかりました。能動的に調べることや、漢字を思い出すことなど、前頭葉が本来行う作業をスマホに任せているためだと考えられます。

「あの人の名前が思い出せない」は認知症? スマホの使いすぎが原因になることも…脳を鍛える訓練法とは

 その状態で大量の情報を目にし続け、脳が疲労すると、若い人でも認知症と似たように、脳内に新しい情報を取り込みにくくなる可能性があります。スマホを使わない時間を意識して作りましょう。

   加齢によるもの忘れを防ぐには?

   前頭葉の働きをよくしましょう。計算問題を速く解いたり、活字を速く読んだりすることがお勧めです。難しい計算問題をゆっくり解くより、簡単な問題を速く解くほうが前頭葉の機能を高めます。活字は音読すると、脳がより広範囲に活性化されます。認知症の人の認知機能が改善した例もあります。

   今からでも大丈夫?

   脳は何歳からでも鍛えて、作り変えることができます。計算や読書により、前頭葉を中心に脳の体積が増えることが確認されています。

 うつ病など他の病気が原因のもの忘れもあるので、困っているなら、「もの忘れ外来」などを受診しましょう。

 (大沢奈穂/取材協力=朝田隆・メモリークリニックお茶の水院長、川島隆太・東北大加齢医学研究所長)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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