ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[お笑いコンビ・はんにゃ 川島章良さん](下)「腎臓がんを見つけてくれた娘」のために子育て資格を取得 子どもたちが自慢できる芸人に!
32歳のとき、プロポーズ直前に腎臓がんを告知された、お笑いコンビ「はんにゃ」の川島章良さんは、テレビ番組でがんを公表して以来、芸人として活躍しながら、闘病経験を語る講演活動にも力を入れています。がんをきっかけに、食生活の見直しやダイエットにも取り組んだそうです。(聞き手・藤田勝、撮影・小倉和徳)
芸人になって暴飲暴食 おなかはポッコリ
――がんが判明するまでは、健康に不安は何もなかったですか。
骨折もインフルエンザの経験もなく、病院に行くこと自体がほとんどなかったです。せいぜい捻挫や歯の治療ぐらいで、大病は一切なし。両親も丈夫です。父親は1型糖尿病なので、「おまえもなるぞ」って言われていましたが、まだなっていません。祖父母はがんになりましたが、自分が32歳でがんになるなんて、本当にびっくりでした。
――これがよくなかったかなと、思い当たるようなことは?
たばこは吸っていましたが、ヘビースモーカーでもないですし、思い当たるような節はないですね。食生活とかストレスとか、いろいろ重なったのかなと思いますが、まあ、がんは運ですよね。いつなるかわからない病気ですから。
――今年2月に出版した著書の中で、がんが見つかる前は暴飲暴食を繰り返していたと書かれていますが、やはり芸人仲間とのつきあいで?
付き合いというより、食べることでストレスを発散していたかもしれないです。例えば、楽屋にケータリングとかあると、みんなはお菓子を1、2個しか取らないですが、僕はもう10個ぐらい食べていました。相方は食べないので、その分も食べていましたね。お酒は、量はそんなに飲みませんが、あまり酔わないので長く飲めます。
――おなかポッコリだったのは、そのせいですか。
芸人になってから体重が20キロぐらい増えて、なぜか、おなかだけが出ていました。妊婦さんぐらい出て、それをネタにしていました。おなかにしか栄養がいかないって、僕の前世はカンガルー? いやタヌキかもしれないですね(笑)。
だしパックダイエットを考案 減量に成功
――がんを経験してから、食生活を見直しましたか。
以前は、塩分が多かったり、脂っこかったり、味の濃いものが好きでした。そこで、僕は「だしソムリエ」の資格を持っていたし、父の実家が昔、祇園で京懐石のお店をやっていて、自分の中にだし文化があったので、塩はほぼ使わず、うまみだけの料理を食べれば健康になるんじゃないかなって考えました。
だしパックでだしを取るだけじゃく、破って中身を調味料として使う「だしパックダイエット」っていう方法を試したら、18キロやせました。塩分量を抑えられるのでむくみ予防になるし、昆布やシイタケから食物繊維もとれます。
僕のユーチューブを見た58歳の女性が最近、「いろんなダイエット法を試してもやせなかったのに、だしパックダイエットで1か月5キロやせた」と喜んで報告してくれました。年配の方でも無理せず、やせやすい方法だと思います。
無理せず、禁煙成功
――たばこもやめられたそうですが、どのように?
ゆっくりやっていくのは重要です。いきなりプツンとやめて、結局、やめられない人も多いですが、ダイエット同様、少しずつ無理なく。例えば、一番気持ちいいのは食後のたばこですが、それをやめるのは最後。まずは朝起きての一服とか、外から自分の会社に戻ってきて一服する習慣とか、それを一個ずつやめていく。最後に残った食後の一服は、いつものたばこじゃなく、きつめのたばこにして、「やばい。まずい」って強く念じて、「たばこはものすごく苦い」というイメージに変える。そうすると、吸っただけで「ううーっ」てなって、「もういいや」ってやめられる。今はもう全然吸いたいとは思わないし、逆に、たばこの臭いにすごく敏感になりました。
――運動の習慣はありますか。
大したことはしていませんが、無駄にエレベーターを使わないですし、ダイエット前は家から駅までバスに乗っていましたが、今は絶対に乗りません。約1キロ、徒歩15分ぐらいですが、慣れれば全然苦じゃないですよ。
1 / 2
【関連記事】