常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
思春期から妊娠・出産、更年期と、変化していく女性の体は様々な健康リスクに見舞われます。そこに、子育てや人間関係のストレスも重なって……。各年代の女性に特有な心身の悩みを乗り切るには、何に気をつければいいのでしょうか。健康診断や会社員のメンタルヘルスにも取り組む開業医、常喜眞理さんが答えます。
妊娠・育児・性の悩み
関節が腫れて指が曲がるヘバーデン結節・ブシャール結節…エクオールの効果に期待、おしゃれなリングでテーピングも
硬い腫れなら変形性関節症
一方、指の先の関節(第一関節:DIP関節ともいう)、または指の真ん中の関節(第二関節:PIP関節)が硬く腫れている場合は変形性関節症が疑われる。
腫れている関節の部位によって異なる病名がついている。指の先の関節(DIP関節)の場合は「ヘバーデン結節」、指の真ん中の関節(PIP関節)の場合は「ブシャール結節」といい、いずれも海外の医師の名前がつけられている。
はっきりとした原因は不明だが、40歳以降の人に多く、骨に 骨棘 というとげ状のものができたり、関節のクッションの役目を果たす軟骨が摩耗したりする加齢現象の一つと考えられる。
痛み軽減の対症療法が基本
両親のいずれかに同じような症状があったとおっしゃる方も少なくない。画期的な治療法はなく、基本的には安静を保ち、痛みを軽減する対症療法となる。局所への注射による効果も肩膝よりは期待できない。
最近では女性ホルモン低下とも関連していると言われているが、女性ホルモン補充療法による効果は定かではない。女性ホルモンに似た働きをする植物性のエクオールは市販サプリメントとして効果が期待されている。全員に効果があるわけではないが、1~2か月試してみる価値はある。
痛みの軽減のために可動域を制限するテーピングは、できれば試してほしい。テーピングに匹敵するものとして、最近はおしゃれな器具もある。金属のスズで作られたものだ。スズの柔らかさを利用して、自分の指の太さに合わせ曲げることができる。ちょうど指輪のようなしつらえになり、医療機器でありながらおしゃれなリングをつけているように見える優れものだ。ヘバーデンリングとブシャールリングがあるので指の状況に合わせ選ぶこともできる。Sさんにはそれらを紹介して送り出した。(常喜眞理 医師)
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