山中龍宏「子どもを守る」
子どもは成長するにつれ、事故に遭う危険も増します。誤飲や転倒、水難などを未然に防ぐには、過去の事例から学ぶことが効果的です。小さな命を守るために、大人は何をすればいいのか。子どもの事故防止の第一人者、小児科医の山中龍宏さんとともに考えましょう。
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1歳女児の足に凸凹模様が…暑い日の鉄板で深いやけど 子どもを歩かせないで
大人が近くにいて、なぜやけどをする?
子どもの生活環境には、鉄がむき出しになっているところがたくさんあります。道路わきの鉄柱や鉄柵、自動車のボディーなどに直射日光が当たると、夏季には高温となりますが、これらの鉄製の部分に子どもが触れても、やけどになることはほとんどありません。しかし、鉄製の底面が広範囲に露出していて、そこで子どもがはだしで歩いたり、転んだりして、体重により皮膚が鉄に強く押し付けられる状態になると、やけどの危険性が高くなります。
大人が近くにいて、なぜこのようなやけどを負うのでしょうか?
それは、熱いことが見えないからです。日差しが強い時間帯に、町中にあって子どもが接触する可能性がある製品の温度をセンサーで測り、危険性を知っておくとよいと思います。あるいは、そうした製品に、50℃以上になると赤い色に変わる温度表示シールを貼って、温度が見えるようにするといいと思います。
そして、「炎天下では、子どもに鉄板の上を歩かせず、大人が抱いて移動する」「子どもが触れやすい製品の鉄製の部分に日よけを設置するか、熱伝導率が低い材質に変更する、熱吸収率が低くなる白色の塗料で覆う」などの対策が必要です。(山中龍宏 緑園こどもクリニック院長)
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