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一病息災

闘病記

[解剖学者 養老孟司さん]心筋梗塞(3)入院中に受けた検査で、ピロリ菌と大腸ポリープも見つかる

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[解剖学者 養老孟司さん]心筋梗塞(3)入院中に受けた検査で、ピロリ菌と大腸ポリープも見つかる

 糖尿病だと自覚しつつ、長年、確定的な診断を受けずにきた。60歳代で後輩の医師に強く勧められて血液検査をしたことがある。血糖値が高く、このままでは教育入院してもらう、と言い渡された。

 食事の量を半分にし、自宅から駅まで15分歩くようにしたら、3か月で正常値になった。

 心筋 梗塞こうそく が見つかった2020年、東大病院を受診したきっかけの一つが、1年で体重が約15キロ減ったこと。「糖尿病が進行していたんでしょうね」。今は治療薬を服用している。

 この入院では、がんも疑って、いろいろな検査をしたが、見つからなかった。ただ、胃がんになるリスクを高めるピロリ菌が陽性だとわかった。大腸に12ミリのポリープもあった。

 現代の医療では、ピロリ菌は1週間ほどの服薬で除菌できるし、大腸ポリープは内視鏡で切除することができる。

 最初の診察をした中川恵一さんは、東大医学部での教え子。「現代の医療システムに巻き込まれたくない」という師の考えをよく知るため、治療をするか判断をまかせてくれた。

 結局、どちらも治療は受けなかった。

 「ピロリ菌は幼児期の感染がほとんど。もう80年も共存してきたわけです。抗生物質で除菌すれば、腸にいるほかの細菌にも影響が出るかもしれない」

 「大腸ポリープは、がんになるにしても10年くらいかかる。そのころには別の理由で死んでいるんじゃないかな」

解剖学者  (よう)(ろう)(たけ)() さん(84)

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