年々縮む身長 検査必要か
年々身長が縮んでいることが気がかりです。ここ3、4年で3センチほど低くなりました。不安になり調べたところ、原因の一つに「骨粗しょう症」が挙がっていました。検査を受けた方がよいですか。(60歳男性)
骨粗しょう症か 原因調査を
伊木 雅之 近畿大医学部公衆衛生学客員教授(大阪府大阪狭山市)
身長低下には、加齢により、背骨の椎間板が 萎縮 したり、筋力が低下して猫背になったりするなど、様々な原因があります。骨粗しょう症もその一つです。
骨粗しょう症とは、骨密度が減ったり、骨の材質が悪化したりして骨折しやすくなる病気です。背骨が上下に潰れ、圧迫骨折の状態になると、身長が縮みます。痛みが少なく、患者の3人に2人は骨折に気づきません。そのため「いつの間にか骨折」ともいわれます。
質問者の年齢と縮んだサイズを考えると、加齢以外の原因がある可能性があります。かかりつけ医に相談し、骨粗しょう症など原因を調べるため、検査を受けることを勧めます。
検査は、腰椎と 大腿 骨近位部(太ももの付け根)の骨密度を測定する「DXA法」と、脊椎のX線撮影を行います。
治療は、飲み薬で骨の破壊を抑えたり、骨の形成を助けたりすることが基本です。重症の場合、注射薬もあります。
生活習慣の改善も重要です。転倒予防のため、家の中の段差をできるだけなくし、必要な場所に滑り止めや手すりを付けましょう。
ウォーキングやスクワットなどで筋力を強化し、食生活ではカルシウムとビタミンDやK、たんぱく質をバランスよく取りましょう。禁煙し、過度な飲酒は避けてください。