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医療・健康・介護のコラム

[タレント 新田恵利さん](下)番組の企画で受けた検査でまさかの「脳動脈瘤」 初めて「死」を意識した時

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3年で大きくなった脳動脈瘤

[タレント 新田恵利さん](下)番組の企画で受けた検査でまさかの「脳動脈瘤」 初めて「死」を意識した時

――症状もなかったんですね。

 はい。医師の話では、脳動脈瘤は自覚症状がないことが多いそうです。私は、若い頃から片頭痛や肩こりがあったので、症状があっても気付かなかったのかもしれません。

 その後も、自覚症状はなかったんですが、「死」というものを身近に感じるきっかけにはなりました。友人と計画していた旅行も、「早くしないと」と。「人はいつ死んでもおかしくないんだな」と思うようになったんですね。

 受診して経過を見て、あまり変化がなかったので、医師も「次の診察は1年後でもいいかな」なんて言っていた矢先、検査で、脳動脈瘤が大きくなっていることがわかりました。母の介護のストレスも影響したのかな……と自分では考えていました。破裂する危険があるということで、医師に「先生が患者なら治療しますか」と聞いたら、「する」と言うので、受けることにしました。

――怖くはありませんでしたか。

 カテーテルを使ってコイルを入れる治療で、それ自体は怖くありませんでしたが、全身麻酔に関する説明を受けたとき、「自力では呼吸ができなくなる」と言われたのは怖かったです。私が入院するたびに付き添ってくれた母は、すでに寝たきりになっていて、今度は主人が付き添ってくれました。

 1週間ほど入院して、退院の次の日には、もう仕事の予定が入っていて、医師にはあきれられましたけど。

「かわいいおばあちゃんになろう!」

――50代になって、ご自身が変わってきたことはありますか。

 私、更年期の症状はあまりないんです。年を取ったので、体力は落ちてきました。疲れた日は、夜8時に寝ちゃうこともあります。食生活はバランス良く、運動には一生、縁がないかな(笑)。

 母の介護を通して、自分の老後についても深く考えるようにはなりました。私はもともと、そういったことについて考えていた方で、結婚して最初の夫婦げんかは「墓問題」だったくらいですが、介護を経験したことで、老後はよりリアルになりました。かわいいおばあちゃんになろうと思います。

 それから、今は介護について、講演のご依頼をいただくことが多いんですけど、今後はその先にある「 看取(みと) り」についても、多くの人の役に立つような情報発信をしていけるようになりたいと思っています。

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[タレント 新田恵利さん](上)恵利に「ありがとう」と言ってからいくね…約束した母 6年半の在宅介護と別れ

にった・えり 1968年生まれ。埼玉県出身。85年、おニャン子クラブ会員番号4番としてデビュー。「セーラー服を脱がさないで」のフロントメンバーを務め、翌年にはソロデビュー曲「冬のオペラグラス」がヒットした。おニャン子クラブ解散後もタレント、女優として活躍。2014年から6年半、寝たきりになった母親を介護した経験をもとに講演活動なども行っている。

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