産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」
仕事をしていれば、ストレスはつきもの。それに押しつぶされてしまうと、病気の原因にもなりますが、適度なストレスは人生のスパイス。気持ちに張りができて、仕事にもプラスに働きます。ところが、ストレスがたまっていても自分では気づきにくいこともあります。大切なのは、ストレスに気づいて、上手にコントロールすること。精神科産業医として45年以上のキャリアを持ち、現在もいくつもの企業を担当する夏目誠医師が、これまで経験してきたケースを基に、ストレスへの気づきとさまざまな対処法を紹介します。きっと参考になる事例と出会えるでしょう。
医療・健康・介護のコラム
新商品開発は、失敗覚悟で試行錯誤が必要…と考える若手のストレス原因はおじさん幹部
「性能」で差をつけることができるか?
遠藤さん: 製品を買いたくなる魅力は何なのか、部内でもいろいろな考えがあります。
木川部長: 魅力ねぇ……やっぱり性能だろう。
遠藤さん: 部長もご存じのように、海外メーカーと性能に差をつけるのはなかなか難しいんですよ。
木川部長: そうか。(しばらく考えながら)そうは言っても性能だろう。うちはそれで成功したんだから。
遠藤さん: デジタルの時代ですから差がつきにくいですね。そうなると、同じ商品なら値段が勝負です。
木川部長: 人件費が安い国が勝つか。魅力ね……。
モノ作りの国と言うけれど……
遠藤さん: 多くのものがデジタル機器になったので、アナログ的な技術で成長してきた会社の優位性は減っているんじゃないでしょうか。
木川部長: そうは言っても、日本はモノ作りの国だろう。
遠藤さん: (何か言おうと思うが、グッとこらえる)お話はわかります。でも、かつての成長って、外国へのキャッチアップですよね。
木川部長: 仮にそういう面があったとしても、そこにだって、性能を向上させる技術的な工夫や大量生産によるコスト削減もあって伸びてきたんだよ。一概に過去を否定するのはどうだろう。
遠藤さん: これまでは、それで成功しました。でも今は、オリジナルな魅力を作り出さないと売れないと思うんです。それには失敗を積み重ねて試行錯誤するしかないと思います。
2 / 3
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。