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睡眠時無呼吸症候群に新療法…電気刺激で気道を確保

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 寝ている間に呼吸が何度も止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」。十分な睡眠時間を取っても、日中の強い眠気に悩まされます。高血圧など他の病気のリスクも高まります。従来の治療法を続けられなかった人に、新しい選択肢が登場しました。(大沢奈穂)

国内患者200万人超

 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸をしない状態が繰り返される病気です。あおむけで寝ている時に、舌が気道を塞ぎ、呼吸が止まることで起こります。

 原因は、肥満や小さいあご、加齢などです。患者は国内に200万人以上と推定されています。

 主な症状は、日中の強い眠気や起床時の頭痛、 倦怠けんたい 感、いびきなどです。居眠り運転による交通事故を招く恐れがあります。

 放っておくと、高血圧や糖尿病のリスクを高めるほか、脳卒中や突然死を引き起こす可能性もあります。

 また、新型コロナウイルスに感染するリスクが8倍で、重症化リスクも2倍にのぼるとする海外の調査結果もあります。

 不眠などの症状に加え、1時間に10秒以上の「無呼吸」と、呼吸の量が少ない「低呼吸」が5回以上にのぼることが診断基準です。14回までは軽症、29回までは中等症、30回以上は重症と位置付けられています。

 日本睡眠学会の副理事長の千葉伸太郎さんは「ちゃんと寝ているのに疲れがとれなかったり、高血圧の薬がきかなかったりする人は、内科や耳鼻咽喉科などを受診してください」と話しています。

 治療法は、軽症・中等症では、睡眠時にマウスピースを使います。下あごを前に出し、気道を広げることができます。

 中等症・重症には、鼻にマスクを装着し、空気の圧力で気道を広げる「 CPAPシーパップ 療法」が広く行われています。利用者は国内で約60万人です。適切に使えば効果は高いですが、マスクを不快に感じたり、効果を実感できなかったりして、3~4割が続けられません。

 この療法が継続できない人のため、新たな治療法が昨年6月、公的医療保険の対象になりました。舌下神経電気刺激療法です。

装置埋め込み必要

 舌の動きをつかさどる神経に電気刺激を与えることで、舌を持ち上がらせて、気道が塞がらないようにします。手術で電気刺激を伝える小型装置や導線を体内に埋め込みます。毎晩、寝る前に装置を起動させます。

 CPAP療法で、マスクを無意識に外してしまっていた、栃木県の法人役員の男性(45)は2月、刺激療法の国内初の手術を独協医大病院(栃木県)で受けました。「日中の眠気が少なくなり、効果を実感しています。仕事で長時間運転するので、ちゃんと夜に眠れるようになり、ありがたいです」と喜んでいます。

 小型装置を販売する日本ライフライン(東京都)によると、海外では欧米を中心に約2万人が使っています。ただ、手術が必要で、長期間使っても電気刺激に慣れない人もわずかにいるなどの課題があります。同病院准教授で、男性の手術を執刀した中島逸男さんは「CPAP療法が継続できない人は、使い方に問題がある可能性があります。睡眠医療の専門医に相談した上で、治療法を検討してほしい」と話しています。

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