文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

大橋博樹「かかりつけ医のお仕事~家族を診る専門医~」

医療・健康・介護のコラム

新型コロナは高齢者の抗体が低下する6月以降に警戒…大橋博樹医師

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ワクチン3回目追加接種の効果を実感

新型コロナは高齢者の抗体が低下する6月以降に警戒…大橋博樹医師

抗原検査キット不足は解消した

――日々、診療の第一線にいて、オミクロン株で新型コロナは終息するといった印象を持つことはありませんか。

 もちろん希望としては早く終息してほしいですけど、そうなるとは言えないですよね。仮説ですが、今回もワクチンの効果が大きいと考えています。川崎市でも8割前後の高齢者が3回目のワクチンを接種済みで、それが高齢者の感染が落ち着いている大きな理由だと思います。若い方の感染が多いのは、追加接種が終わっていない方が多いからで、お子さんのほとんどはそもそもワクチンを接種していません。逆に3回目の追加接種をしているお父さん、お母さんは陽性になっても症状が出ないか、軽症という印象です。

――新型コロナはこれからどうなっていくと思いますか。

 今は、感染者が下げ止まりとは言え、病床の逼迫は起きていません。おそらく追加接種の恩恵だと思います。いい夢を見ていられる時期なんですね。海外のデータだと、3回目のワクチンは抗体価が早く下がるとされているので、2~3か月しかもたないとすると、この先、6月ぐらいには警戒が必要になります。高齢者や基礎疾患のある方が感染すると、また病床が逼迫してしまいます。新たな変異株の問題もあるので、長く効果があるワクチンとか特効薬のような次の一手がないと、どうなるかまだわからないです。

治療が必要な人が入院できる体制が必要

――今後に向け、新型コロナの医療提供体制で課題と考えていることはありますか。

 病床が逼迫して、通常なら助けられる人が入院できずに助からなくなる事態を招かないようにするには、二つの課題があると思います。基礎疾患のある高齢者は最優先で入院になるんですが、コロナの感染によって、その基礎疾患が重篤化して、おそらく助からないだろうという方もいて、それならむしろ住み慣れたご自宅でのおみとりを考えた方がいいのではというのがひとつ。今のところ、このような方の療養の選択肢は入院しかなく、こういう患者さんが結果としてみとりのためにICUに入ってしまうことがあります。

 もう一つは、本来、入院するほどではないのに、感染者を介護する体制が整わなくて病院で預かるケースです。現実に必要なのは、医療よりも介護という方も少なくありません。どんなに医療体制を充実させても限りがあります。本当に治療の必要な人が入院できるよう、みんなで考えていかなければいけない問題だと思います。

――社会に伝えたいことはありますか。

 短期的には、まだ、受けていない人は、3回目の追加接種を受けていただきたいということです。効果がありそうだぞ、と現場で感じています。今は高齢者の感染が少なくてすんでいますが、この先、抗体価が下がってくるとどうなるかわかりません。平時に近い状態の今こそ、医療を提供する側も含めて、これまでを反省しつつ、これからの体制を考えていかないといけないと思っています。

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

20211222_ohashi-hiroki_profile

大橋博樹(おおはし・ひろき)

多摩ファミリークリニック院長、日本プライマリ・ケア連合学会副理事長。
1974年東京都中野区生まれ。獨協医大卒、武蔵野赤十字病院で臨床研修後、聖マリアンナ医大病院総合診療内科・救命救急センター、筑波大病院総合診療科、亀田総合病院家庭医診療科勤務の後、2006年、川崎市立多摩病院総合診療科医長。2010年、多摩ファミリークリニック開業。

大橋博樹「かかりつけ医のお仕事~家族を診る専門医~」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事