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飲むと口にしたのは藤子Fさんとの思い出…藤子(A)さん死去、地元住民「もっと話したかった」

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 多くの名作を生み出した漫画家の藤子不二雄(A)(本名・安孫子素雄)さんが、川崎市多摩区の自宅で死去したことがわかった7日、気さくな人柄を知る友人や住民からは、悼む声が相次いだ。藤子さんは88歳だった。

隣客とおしゃべり

飲むと口にしたのは藤子Fさんとの思い出…藤子(A)さん死去、地元住民「もっと話したかった」

藤子不二雄(A)さんが書いた色紙を手に、当時をふり返る森山さん(7日、川崎市多摩区のひろ寿司で)

 藤子さんが30年近く通った自宅近くの「ひろ 寿司ずし 」の店主、森山勝利さん(56)は「どんな人とも友だちになってしまう楽しい人だった」と振り返った。

 森山さんによると、藤子さんは多摩川を挟んで6キロほど離れた東京都世田谷区で編集者らと飲んだ後、一人でふらりと店を訪れることが多かった。「俺は寺の息子だから、肉や魚は食わねえ」と、注文はおしんこや野菜の天ぷらばかり。それもほとんど手を付けず、焼酎を片手に客や店員とのおしゃべりに興じていた。

 「隣の客に話しかけて気軽に連絡先を交換し、井上陽水さんとカラオケに行った話など、聞けば何でもしゃべっちゃう。もっと話をしたかったのに……」。森山さんは、藤子さんがよく座っていたカウンター席を見つめ、肩を落とした。

コンビの思い出

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ゴルフ仲間と酒を楽しむ藤子さん(中央)(2019年撮影、川崎市高津区で)=居酒屋「みずき」提供

 ゴルフ好きだった藤子さんはプレー後、仲間たちと川崎市高津区の居酒屋「みずき」をよく訪れた。店主の加瀬祐美子さん(55)によると、酒を飲みながら口にした話題は、かつてコンビを組んでいた「藤子・F・不二雄」こと藤本弘さんとの思い出だった。「一緒に頑張ってきたんだ」と熱く語っていたという。加瀬さんは「著名な方なのにおごり高ぶらず、いつもおしゃれをして店に来てくれた。もうお目にかかれないなんて」と惜しんだ。

 15年以上のゴルフ仲間という高津区の会社経営、田中菊雄さん(87)は、藤子さんが代表作の一つにかけて「『プロゴルファー猿』のようにはうまくいかないね」と笑っていたことを思い出す。最後に一緒にプレーしたのは3月中旬で、藤子さんと「また4月にやろう」と約束していた。「連絡をしようと思っていたところだった」と悔やんだ。

 多摩区で営業しているタクシー会社の運転手、江花智之さん(56)は8年近く、藤子さんを自宅から駅やゴルフ場などへ送った。「先週も乗せたばかり。聞き上手で、私にも丁寧に接してくれた」と残念がった。

 自宅前には7日午前、救急車が止まっていたという。近くに住む女性(86)は「あいさつをよくしてくれ、本当に気さくな方。年齢も近いので寂しい」と話した。

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