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「がんロコモ」って何?…体力低下で体動かせず

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「がんロコモ」って何?…体力低下で体動かせず

   最近、「がんロコモ」っていう言葉を聞いたよ。

  ヨミドック  ロコモとは、足腰が衰えて歩行などが困難になる「ロコモティブシンドローム」の略です。がんになった人が、体力の低下や痛みなどで思うように体を動かせない状態になることです。

   なぜ、がんロコモに?

   がんが転移した骨は弱くなります。また、治療でホルモン剤を使えば骨粗しょう症になりやすくなり、骨折のリスクが高まります。

 抗がん剤の副作用で、しびれなどの症状が出ることも少なくありません。こうして体を動かさなくなると、筋力が落ちてしまいます。

   がんの治療中は安静にするものと思っていたけど、寝たきりになったら大変だ。

   痛みやしびれなどの症状があれば、我慢せずに主治医に伝えましょう。

 がんが骨に転移している場合、薬物や放射線による治療、手術によって症状の改善が期待できます。抗がん剤の副作用なら、薬を変更するなど対処法を考えます。がんとは関係なく、骨粗しょう症や変形性関節症が見つかって、治療できることもあります。

「がんロコモ」って何?…体力低下で体動かせず

   症状が軽くなったら運動してもいいんだね。

   がんの治療中でも体を動かすことは重要です。

 ただ、骨転移などで骨が弱くなっていると、運動によって骨折することもあります。始める前には、必ず主治医に相談してください。どのような運動なら大丈夫かを把握しておくことが大切です。

   食事も大事だよね。

  体力の維持には、栄養バランスの取れた食事を朝昼晩しっかり食べるのが理想です。しかし、実際には食べられない人も多いと思います。

 まずは、果物やゼリーなど、食べやすいものを口にしましょう。1回の食事の量を減らし、回数を増やして食べるなどの工夫もいいですね。

   がんロコモにならないよう気をつけなくては。

   がんの治療が優先されるため、がんロコモのケアには難しさもあります。ただ、がんの治療を続けるためにも、体力は必要です。

 整形外科医などで作る「ロコモチャレンジ!推進協議会」は、がんロコモの対策に取り組む医師のリストを作成していて、5月以降にウェブサイトで公開する予定です。

 (利根川昌紀/取材協力=大江隆史・NTT東日本関東病院院長、滝口裕一・千葉大病院腫瘍内科長)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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