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大人の健康を考える「大人び」

医療・健康・介護のコラム

マラソン夫婦(10)「90歳で完走したい」…次の目標へ

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 このシリーズでは、内田さん夫妻に高齢者の健康づくりの 秘訣ひけつ を聞きました。(松田俊輔)

ランニング前に準備運動する内田さん夫妻(大阪府枚方市で)

 フルマラソン完走時に夫婦の合計年齢が「170歳30日」という最高齢のギネス世界記録を持つ大阪府枚方市の内田 昌詞まさつぐ さん(89)、良子さん(85)夫妻。そろって目標にしていた2月下旬の大阪マラソンは、一般ランナー部門が中止となった。それでも「記録は、あくまで結果。楽しく健康を維持するのが一番の目標」と前を向く。

 大阪マラソンを完走できれば6度目のギネス記録達成となるはずだった。夫妻は週に5日、約10キロずつ走るトレーニングを続けていた。大会に向けた練習量としては普段より少なめだったというが、完走に必要な体力はつけていた。

 出走がかなわず、さぞ落胆しているだろうと思いきや、昌詞さんは「中止になり、ほっとした部分もあった」と話してくれた。大会では多くのランナーが集うため、感染への不安は完全にはぬぐえなかった。スマホのアプリを使った毎日の体温入力が参加条件になっていたが、これも高齢の2人には難しかったという。

 一連の出来事を通して感じたのが、日々走ることの意味だった。「70歳を過ぎた人生の晩年で、マラソンという新たな趣味に出会い、人生の楽しみが増えた。走ることが生活の一部になり、健康管理にもつながっている」と昌詞さん。良子さんも「ランナー仲間との出会い、東京五輪の聖火ランナーの体験など、多くをもたらしてくれた」と笑顔を見せる。

 コロナ禍の先行きは見通すのが難しいが、今後も大会出場を目指し、ランニングを続けるという。「90歳でマラソンを完走したい」と、次の目標を掲げる昌詞さん。これからも2人は走り続けていく。

 ◎「大人び」は今回で終わります。

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