オリックス・バファローズ選手 安達了一さん
メディアなどでお馴染みの芸能人、有名人だって、一人の人間として病気や心身の不調と向き合っています。苦しかった経験や、病によって気付かされたことなど、率直な思いをお聞きします。
一病息災
[オリックス・バファローズ選手 安達了一さん]潰瘍性大腸炎(4)出場で寄付、患者支援 「長くプレーしたい」
パ・リーグで優勝できた2021年シーズンは、本当に充実していた。
5月に遊撃手(ショート)のポジションを若手の紅林弘太郎選手に奪われ、二塁手として出場することが多かったが、「ショートは守備の要。全試合に出られる選手が守るのがチームのためだ」と、冷静に受け止めた。若手の台頭でチームが勢いづいたことが、優勝につながったと思っている。「やっぱり勝てるとうれしいです」と振り返る。
チームが持病の潰瘍性大腸炎を理解してくれ、1週間に2日ほどは休養させてくれる。このシーズンは、安定していたが、最後の2試合だけはどうしても体が言うことをきかなかった。
ヤクルトと争った日本シリーズの第5、第6戦だ。体調が悪化し、欠場。チームも日本一を逃した。「正直、悔しかったですね」
新たな取り組みを始めたシーズンでもあった。潰瘍性大腸炎やクローン病などで苦しむ患者を支援しようと、公式戦の出場試合ごとに1万円を積み立て、NPO法人「日本炎症性腸疾患協会」(東京)に寄付した。今後も続けるつもりだ。
「守備位置にこだわらず、できるだけ長くプレーしたい」と心から思う。自分が野球を続けることで、潰瘍性大腸炎の理解も進めたい。
今シーズンは2年連続のリーグ優勝、さらには日本一を目指し、闘っていくつもりだ。
(文・辻田秀樹)
プロ野球 オリックス・バファローズ選手 安達了一さん(34)
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