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大川智彦「先手を打って、病に克つ」

医療・健康・介護のコラム

喫煙歴のない49歳女性。健診の胸部X線で左肺にスリガラス状の陰影が…

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喫煙歴のない49歳女性。健診の胸部X線で左肺にスリガラス状の陰影が…

 少し前の映画やドラマを見ると、登場人物がたばこを吸うシーンが多いことに驚きます。家庭内や職場、道を歩いていても、車を運転していても、登場人物がところかまわず煙を吐き続けています。一般会社員や刑事だけでなく、学校の教師や医師の喫煙シーンまでが当たり前のように描かれていたのですから、現代に比べると、まさに隔世の感があります。

 昭和から平成、そして令和へと時代が移り、現在の成人喫煙者率は男性27・1%、女性7・6%です。高度成長期には成人男性の80%以上がたばこを吸っていたことを考えると、文字通り、右肩下がりの状況で、社会全体にとっては好ましいことだとも思います。

 かつては、非喫煙者が喫煙者に向かって「肺がんになるぞ!」と 揶揄(やゆ) することがあったほど、「たばこ=肺がん」が常識のようになっていました。ところが現在、部位別がん死亡の1位は肺がんです。喫煙者が大きく減ったのに、肺がんの 罹患(りかん) 者、死亡者は減る気配がありません。ちょっとしたパラドックスですよね。

 今回はたばこを吸わないのに、肺がんが見つかった女性のケースです。

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大川智彦(おおかわ・ともひこ)

 佐野メディカルセンター理事。1969年、名古屋市立大医学部卒。放射線腫瘍医として (がん) 研究会病院放射線科などで勤務し、英国留学後、94年、東京女子医大放射線科主任教授に就任。その後、徳洲会病院グループ放射線科部門長、東京西徳洲会病院副院長・検診センター長、佐野メディカルセンター予防医療センター長などを歴任し、2019年より現職。

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