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[女優 財前直見さん](上)故郷の大分に移住して15年 女優としてのキャリアより大切だと考えたこと
「お水の花道」をはじめ数々のドラマや映画に出演し、シリアスからコメディーまで幅広い役柄を演じて人気の女優、財前直見さん。40歳の時に長男を出産したのを機に、故郷の大分県に移住して15年になります。息子と日常を過ごす大分では「母親」として、仕事のために上京する際には「女優」として、家庭と仕事を両立。最近では自然あふれる田舎での暮らしぶりや、実家の山や畑で収穫した食材による手作りの「食」を紹介した本も話題です。近況などを伺いました。(聞き手・田村良彦、撮影・中山博敬)
自分の育った環境で子育てを
――大分に移住して15年になるそうですね。移住の理由は何だったのですか。
一番の理由は、子育てをするにあたって、自分が育った環境を味わわせてあげたいという思いからでした。自分がどんな親になりたいかを考えた時に、たまたま職業が女優であるだけで、普通の母親としての姿を子どもに見せたいということもありました。
――子育てについて特別な思いがあったということでしょうか。
40歳の高齢出産だったこともあり、自分が後悔したくないという気持ちがまずありました。責任は全部自分にあるというか、おなかに子どもができたときからお酒もやめて、食べるものに気をつけてというふうに、そうしないと自分が後悔するだろうなあと思ったので。
――周囲から驚かれたり、反対されたりはしなかったのですか。
子どもを持つことを望んでいたこともあり、事務所にも子育てに集中できる環境をつくってもらったんです。なのでできる前から、「子どもをつくりたいから仕事をセーブしてほしい」というお願いをしていて、他の方にご迷惑をかけないようにレギュラー出演していたドラマも一度区切りをつけていただくなどしていたので、これはいいチャンスかなって。
――ただそうは言っても、女優さんとして活躍されているなかで、随分思い切ったものだなあと。
小さな命を育てることの方が、キャリアとかそういうものよりも大事だと考えました。大分には両親がいますし、じいじ(財前さんの父)が手作りする新鮮な無農薬野菜を食べさせてあげられるとか、利点がいっぱいあるし。温泉もあるし(笑)。
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