町田忍の昭和回想
回想サロン
もくもくと 天までとどく 煙吐く
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
蒸気機関車
蒸気機関車は、人間に一番近い機械だと思う。もくもくと煙を上げて一生懸命に坂を上る姿は生き物のようだ。運転士から聞いたが、車両ごとに石炭を燃やすかまには個性があり、操作の感覚が異なるという。
昭和40年代に入ると急激に姿を消していき、現在は観光列車として残っている程度だ。私は大学生時代、鉄道研究会に所属して、消えゆく蒸気機関車を求めて全国を駆け回った。
おしゃれに着飾った今の観光列車も悪くはないが、すすけて汚れた実用品として活躍した時代も懐かしい。複雑な気持ちだ。
イラストは、戦時中から戦後直後にかけて製造されたB20形蒸気機関車。北海道の小樽で使われていたものだ。
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