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#更年期を生き生きと(中)気力が低下、ミスも増え…男の更年期障害は40代から

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 福岡市の会社員男性(48)は昨年頃から、疲れや不眠、気力の低下などに悩むようになった。仕事でのミスも増えて心療内科を受診したが、うつなどの診断はつかなかった。心配した妻がインターネットで調べて男性更年期障害(加齢男性性腺機能低下症)を疑い、2人で専門外来のある同市の西南泌尿器科クリニックを訪れた。

 男性更年期障害は不安感や気力の衰え、 倦怠けんたい 感、性欲の低下など多様な症状があり、男性ホルモンが減少することで起こる。同クリニックの院長、持田 おさむ さん(60)が、血液検査で男性ホルモンの量を調べると、正常値よりかなり少なかった。問診の結果と合わせて更年期障害と診断し、ホルモンを補充する注射を打った。男性は、現在も月1回の注射を続けており、「治療で良くなっていくのを感じる」という。

 「男性にも更年期障害があることはあまり知られていない」と持田さん。女性の場合、症状が出るのは閉経前後の計10年間で、比較的分かりやすい。だが男性では、40歳代以降いつでも起こり得るため、気付きにくい。対処しなければ男性ホルモンの量は下がり続け、症状が長引く人もいる。

 男性ホルモンが減ると、内臓脂肪が増え、生活習慣病のリスクが高まるなどの影響も生じる。減少の大きな原因はストレス。40歳代以降は、仕事や家庭で悩みが増える年代だ。定年後にやることがなくなり、家庭や社会に居場所もないなどの環境変化から発症する人も多い。

 気になる症状があれば、男性更年期外来や泌尿器科を受診するようにしたい。治療では、漢方薬を使うこともある。筋トレも男性ホルモンの分泌を促す効果があるそうだ。

 持田さんは「日頃から運動や趣味などを楽しみ、ストレスをためない生活を心がけて」と呼びかける。

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