文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

社会

社会

死後送る「ありがとう」…遺族が知らぬ友人にもメッセージを送れるアプリ開発

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 お世話になった人や友人に残したメッセージを自分が亡くなった後に送信してくれるアプリ「Arigato(ありがとう)」を自動車整備工場の施工を手がける「エイトテクニカルサービス」(金沢市)の代表・高田幸治さん(56)が開発した。スマートフォンや携帯の普及で家族も交友関係を把握しづらい中、自分の死を知らせる方法としても活用できそうだ。(山口千尋)

死後送る「ありがとう」…遺族が知らぬ友人にもメッセージを送れるアプリ開発

アプリを開発した思いを語る高田さん

 「Arigato」は、メッセージをアプリ上に保管し、自分の死後に指定した宛先に送信してくれる。文章だけでなく、写真や動画も残しておくことができる。あらかじめ代理人に登録しておいた人が代理送信のボタンを押せば一斉送信される仕組みだ。送る人ごとにメッセージの中身を変えることもできる。

 受け取った人は、アプリをインストールしてメールに記載されたIDを入力すると、メッセージを確認できる。しばらく会っていない友人に自分の死を知らせる利用法も想定し、携帯電話の番号によるショートメッセージサービス(SMS)やメールアドレスがわかればメッセージを送信できるようにした。

 高田さんが本業とは畑違いのアプリの開発に乗り出したきっかけは、2019年9月に仕事仲間を病気で亡くしたことだった。また元気になって会えると信じていたところに届いた 訃報ふほう に「何か一言もらえていたら」と、心の整理がつかなかった。半年後には新型コロナ禍で有名芸能人が亡くなり、「死」をより身近に感じるようになった。

死後送る「ありがとう」…遺族が知らぬ友人にもメッセージを送れるアプリ開発

メッセージの登録画面(エイトテクニカルサービス提供)

 生きている間に気持ちを伝えられるサービスができないかと考え始めた頃、コロナ禍で本業の仕事が減ったこともあり、アプリの開発に乗り出した。ウェブデザイン会社に製作を依頼し、昨年5月から運用を始めた。アプリの製作・運営費は、新型コロナ関連の補助金を充てた。

 メッセージはあくまで気持ちを伝えるためのもので、遺言のような法的拘束力はない。高田さんは、「人間いつどうなるかわからない。メッセージを受け取った側も気持ちの整理ができるはずだ。気持ちを伝える方法として活用してほしい」と話している。

 アプリは無料で、iPhone(アイフォーン)用とアンドロイド用があり、それぞれのアプリストアからダウンロードできる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

社会の一覧を見る

最新記事