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楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」

介護・シニア

3人に1人は突然、介護が必要に…実家の親のケア 家族で抱え込まないために

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 久しぶりに実家に帰ってみると、親の身体面の衰え、「物忘れが多い」といった認知機能の衰えを感じ、「介護」の2文字が気になり始めたという人もいるのではないでしょうか?

 「離れて暮らす 親御さんの介護、どうしますか?」。こんなテーマのセミナーが、NPO法人JCPFPと特定非営利活動法人くらしとお金の学校の共催で開かれました。今は「親と同居」とか「親の家の近所に住んでいる」という人の方が、少数派なのかもしれません。「離れて暮らす親御さん」がいることは珍しいことではなく、コロナ禍で実家に帰れなかった方も多いと思います。セミナーの講師として登壇された、くらしとお金の学校代表理事の村井英一さんに、あらためてお話を伺いました。

3人に1人は突然、介護が必要に…実家の親のケア 家族で抱え込まないために

イラスト:平松昭子

久しぶりに実家に帰ってみると…

――介護が気になり始めても、何をどうしたらいいのか、「とっかかり」がつかめません。

村井: そんな方に最初に知っておいていただきたいことは、厚生労働省の 「仕事と介護の両立支援制度」についてまとめたHP の存在です。

 国は、仕事と介護を両立させる方向で、「介護をする人の支援制度」を考えています。端的に言えば、「介護保険サービスを利用し、自分で『介護をしすぎない』」ことを奨励しているんです。

――え? どういう意味ですか?

村井: ご自身にはご自身の仕事や生活がありますから、「親の介護ファースト」で行動できないのが現実でしょう。

 介護の体制を、「子が親元に通って介護をする」という前提で組み立ててしまうと、持続が難しい‥‥‥。頻繁に親元に通うことで、自分の生活が破たんしてしまうことも考えられます。ましてや、「介護のために仕事を辞める」というのは、親亡き後の収入を考えると、最も避けたいことです。

――では、どうしたらいいのですか? 目の前に「介護が必要な親」がいるのに……。

村井: 大切なことは、利用できるあらゆる制度を活用して、「介護をしすぎない」ための〝介護の体制〟をしっかり構築することなんです。

 そのためには、制度に関しての最低限の知識を持っておくと、後が楽ですね。先にご紹介したHPには、必要な情報が整理されていますから、知っておくと便利です。

介護休業は93日!? 短すぎやしませんか?

――でも、やっぱり介護関連の制度は、難しそうです。

村井: そんな時は、「介護休暇」と「介護休業」の制度の概要をザックリと知ることから始めましょう。

●「介護休暇」と「介護休業」の概要

3人に1人は突然、介護が必要に…実家の親のケア 家族で抱え込まないために

(村井さんのセミナー資料より筆者作成)

――介護休業は93日なんですね‥‥‥。93日って、短すぎやしませんか?

村井: はい。親の介護は93日では終わりません! 3か月だけ介護をして、その後が続かないというのは、最も避けたい事態です。つまり、介護休暇の3か月間、「介護だけ」をしてしまうと、後が困るんです。

――では、どうすれば?

村井: ここがポイントです。介護休業は、「親の介護をする期間」なのではなく、「介護の体制を整える期間」だと理解しておいてください。「介護の体制を整える」ことの例は、こんな感じです。

●介護の体制を整えるために必要なこと 例

  • 介護保険の利用のため、要介護認定の申請をする
  • ケアマネジャーとの打ち合わせ&介護保険サービスの依頼
  • その他のサービスが使えないかの検討
  • 兄弟姉妹での分担の話し合い
  • 老人ホームなどへの入居(施設見学&選定、入居申し込み&入居)

(村井さんのセミナー資料より筆者作成)

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

過去コラムはこちら

40代から備えよう「老後のお金」

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