がんのサポーティブケア
医療・健康・介護のコラム
オンコネフロロジー 腎臓の機能を支えることでがん治療の向上を図る
柳田素子・京都大学腎臓内科学教授に聞く
がん患者の闘病を支えるがんの支持医療について専門家に聞く「がんのサポーティブケア」。第15回は「オンコネフロロジー」がテーマです。高齢化や薬物療法の多様化を背景に、腎臓のケアは今や、がん医療に欠かせないものになっています。がん治療との連携や診療ガイドラインの作成に取り組む京都大学腎臓内科学教授の柳田素子さんに聞きました。(聞き手・田村良彦)
アメリカ腎臓学会が先駆け
――オンコネフロロジーはいつ頃、どんな背景から生まれたのですか。
文献に初めて登場したのは2013年です。その前にアメリカ腎臓学会にオンコネフロロジーフォーラムというグループができたのが、おそらく始まりではないかと思います。
がん治療による腎臓への影響が大きいことや、もともと腎臓病を持っている人のがん治療が難しいことの両面から、腎臓病学と腫瘍学の学際的領域が求められるようになったことが、背景にあります。
――その動きが日本にも導入されたわけですね。
私自身、アメリカのオンコネフロロジーフォーラムに参加してその重要性を強く感じたことから、京都大学病院で腫瘍内科の先生にお願いして、患者さんをご一緒に診させていただくようになりました。
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