帯状疱疹治っても手の痛み
1年半ほど前、左の肩甲骨に帯状 疱疹 ができました。 水疱 が治った後も左手の指がしびれ、痛みが続いています。痛み止めの薬を服用し、近赤外線治療を受けていますが、より良い治療法はないでしょうか。(84歳女性)
薬物療法や神経ブロックも
岩下 成人 滋賀医科大病院ペインクリニック科副科長(大津市)
帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスによって起こります。水ぼうそうが治っても、ウイルスは脊髄近くの神経に潜伏し、過労やストレス、加齢などで免疫力が低下すると再び活性化します。
帯状疱疹の水疱が治った後も、電気が走るような痛みが残ることを「帯状疱疹後神経痛」といいます。触れるだけで激しく痛むこともあります。帯状疱疹によって神経細胞が傷つくことで起きると考えられ、帯状疱疹にかかった人の約2割が発症するとの報告があります。
患者の多くは50歳以上です。高齢者や、帯状疱疹の皮膚症状が重く、痛みが強かった人ほどなりやすい傾向があります。
神経痛の治療は、抗けいれん薬や抗うつ薬を用いた薬物療法が中心です。そのほか、医療用の麻薬や近赤外線治療、神経に高周波の電流を流す「パルス高周波法」や「脊髄刺激療法」など、神経ブロックと呼ばれる治療で改善することがあります。適応や効果が見込めるかどうかについて、ペインクリニックなどの痛みの治療を専門とする医師に相談してみてください。
日常生活では、好きなことや楽しいことに目を向け、ストレスをためないようにしましょう。体を冷やさないようにし、痛みが落ち着いているときには適度に体を動かすことも大切です。