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宮脇敦士「医療ビッグデータから見えてくるもの」

医療・健康・介護のコラム

「小児医療費の助成」がもたらした医療費増加の中身を分析してみた

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東京都が高校生まで医療費無料化へ

 最近、東京都が小児医療費の無料化を高校生まで拡大させる、というニュースがありました。都道府県単位での高校生への医療費助成は、全国で五つ目とのことです。私はこのニュースを大変興味深く見ました。というのも、これまで、いくつか小児医療費助成に関する研究を行ってきたからです。

 小児医療費の助成は、全国ほぼすべての自治体が導入しています。もともとは、1960年代に岩手県内の自治体で始まったのが最初と言われており、その後、多くの自治体で就学前までの幼児への助成が行われてきました。

 さらに2000年代後半には、東京などの豊かな自治体で、小学生以上の助成が始まりました。その流れを受けて、特に2010年代には小中学生にその対象を拡大させる自治体が相次ぎました。

 例えば、筆者らが調査を行ったことのある長崎県では、2013年4月時点で、県内21自治体のうち2自治体のみが対象にしていましたが、2017年1月には、主要な市を含む11自治体で、小学生が小児医療費助成の対象になっていました。

 助成の額も自治体によって異なります。

 公的医療保険では、未就学児は2割負担、小学生以上は3割負担ですが、その自己負担分を全額、自治体が負担するタイプや、一定額(300円、500円、800円など)までは患者さんが払い、超過分は自治体が負担するタイプがあります。

 また、「償還払い」という形で、いったん患者さんが窓口で負担分を払った後に役所に請求する方法と、「現物給付」、すなわち、窓口で割り引かれた額を支払う方法とがあります(東京都を含む多くの自治体は後者です)。

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宮脇 敦士(みやわき・あつし)

 2013年、東京大学医学部医学科卒業、医師免許取得。せんぽ東京高輪病院・東京大学医学部附属病院で初期研修後、東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻にて、医療政策・応用統計を専攻し、19年に博士号取得。東京大学特任研究員、筑波大学研究員、日本学術振興会特別研究員、Harvard T.H. Chan School of Public Health 客員研究員などを経て、20年から東京大学大学院医学系研究科社会予防医学講座助教。大規模データを用いて良質な医療を皆に届けるにはどうすればよいかということを研究している。

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