大人の健康を考える「大人び」
医療・健康・介護のコラム
マラソン夫婦(8)42・195キロを走るために「今ある筋力を維持する」
このシリーズでは、内田さん夫妻が、日常生活で取り組むトレーニングの実例などを交えながら、高齢者向けに健康づくりの秘訣を紹介します。(松田俊輔)
フルマラソン完走時に夫婦の合計年齢が「170歳30日」という最高齢のギネス世界記録を持つ大阪府枚方市の内田 昌詞 さん(89)、良子さん(85)夫妻は、趣味のマラソンを続けるため、ジムに通って筋力トレーニングに取り組んでいる。
42・195キロの距離を走りきるには相当の筋力が必要だが、高齢になって筋力を増やすのは難しい。「今ある筋力を維持することを目標にして」(昌詞さん)、2人は1週間に5日、京阪枚方市駅前にあるスポーツジムでトレーナーの指導を受けている。
マラソンで使う脚の筋肉だけでなく、全身の筋肉や体幹を鍛えることを重視している。小型のトランポリンを使ったジャンプの運動や、音楽に合わせてボクシングの動きをするエクササイズなども取り入れる。ジムでは、自宅では実践できないメニューもできるので、楽しみながら体を動かせるのが魅力という。
体幹を鍛えた後は、バーベルや自転車型のマシンを使ったトレーニングも。ただし、過度の負荷をかけないよう注意しているという。昌詞さんは「高齢者は体が強くない。背伸びせず、自分の能力に合わせた運動をすることを心がけている」と話す。
多くの人が出入りするジムでは、新型コロナの感染防止のため入館前の検温や手指の消毒は欠かせない。以前は仲間同士で談笑しながらトレーニングしていたが、今は、密の状態を避けるため、他の利用者と距離を保ちながら「黙トレ」に励む。
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