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食物アレルギー 運動がアナフィラキシーを誘発することも…食後に前触れなく発症

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 特定の食べ物を食べてアレルギー症状が出る「食物アレルギー」のなかに、食後の運動が引き金となり重いアレルギー症状を起こす「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」があります。詳しい原因は分かっておらず、前触れなく発症することがあり注意が必要です。(矢沢寛茂)

腹痛などの症状も

 食物アレルギーは卵や牛乳などに含まれるたんぱく質が原因となることが多く、通常は食べるとすぐに発症します。幼少期に起こりやすく、初めは原因となる食べ物を除去し、食べる量を増やしながら耐性をつける治療や指導をします。

 しかし、FDEIAは食べ物だけで発症せず、サッカーやランニングなどの激しい運動で誘発されます。食後1~2時間以内の運動で口の周りの腫れや、じんましん、かゆみが現れるだけではなく、嘔吐おうとや下痢、腹痛、呼吸困難など急激に悪化することがあります。

 食物アレルギーと診断されていない人が発症するケースが多く、10~20歳代の男性に目立ちます。中学生では6000人に1人の割合で発症したとの報告があります。原因となる食べ物の約6割が小麦で、エビやカニなどの甲殻類が約3割と続きます。果物や野菜などの組み合わせで発症する例も増えています。

 発症の原因は、明確に分かっていません。ただし、食物アレルギーと診断されていない場合でも、原因となる食べ物に対して軽い反応があったか、反応しやすかった可能性があります。

診断されたら予防

 10歳代の子どもは部活動などで活発に体を動かすようになります。食後に体を激しく動かすと血流が増えて、小腸から栄養分が吸収されやすくなります。許容量を上回るたんぱく質が一気に取り込まれ、アナフィラキシーに至る可能性が考えられています。

 これまでの研究で、疲労の蓄積や睡眠不足、かぜ、ストレス、入浴などの条件が重なると発症しやすいことが分かってきました。また、花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎など別のアレルギーの病気がある場合や、月経が重なったり、アスピリン系の解熱鎮痛剤を飲んだりすると、症状が出やすいようです。

 中高生のような若い人が突然体調を崩しアレルギー症状があれば、FDEIAを疑います。重症化する恐れがあれば、医師が処方した応急処置の注射薬(エピペン)がある時には使い、救急車を要請します。

 回復後は、原因とみられる食品を食べた後に運動する「誘発試験」で発症する条件を調べます。ただし、この試験で症状が出ないこともあり、再発を防ぐ方法も確立されていません。

 FDEIAと診断されたら予防が重要です。▽運動前には原因となる食品を食べない▽食べたら最低2時間は運動を控える▽体調がよくない時は特に注意する――ことを心がけてください。

 兵庫県立こども病院アレルギー科長の田中裕也さんは「FDEIAは、元気いっぱいで食べ盛り、育ち盛りの思春期に突然起きることが特徴です。花粉症などアレルギー症状やその疑いがあれば、潜在的な発症リスクを意識し普段から症状や体調の管理に注意してください」と話しています。

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