シニアとお金
医療・健康・介護のコラム
長年の趣味や特技を生かして「プチ収入」を得る方法…シニア世代 孤独感の解消にも
長年培った経験やノウハウといった「コト」を活用したり、不用な家財や衣類などの「モノ」を売買・貸借したりすることで老後の“プチ収入”につなげてはどうだろう。必要とする人との取引を仲介するスマートフォンアプリも増えている。生活の見直しや充実感ある暮らしにつながることも期待できそうだ。
事務職の経験があれば、データ入力や録音データの文字化作業は、短い時間を活用して自宅で取り組めそうだ。海外駐在経験がある人は、翻訳の手伝いなどの仕事も考えられる。
趣味の陶芸、園芸などの作品を販売したり、教室を開いたりする方法もある。撮影した写真や動画が企業の制作物等に採用されれば、著作権者として利用料を受け取ることも可能だ。
こうした「コト」で収入を得ることの利点について、ファイナンシャルプランナーの森村 利果香 さん(CFP認定者)は、「自分の中に蓄積したスキルやノウハウを人のために役立てると、暮らしの充実感が高まる。社会との交流の機会にもなり、孤独感の解消にもつながる」と語る。
使われていない「モノ」も生かしたい。例えば「終活」を意識するシニア世代にとっては、不用品の整理は大事なテーマだ。使わずに納戸や押し入れに保管している記念硬貨や食器類、衣類が、別の人にとっては思わぬ“お宝”になることもある。空いたままの自宅ガレージは時間貸し駐車場として活用できる。
これらの「コト」や「モノ」の取引相手を探す際はスマホなどのマッチングアプリが便利だ。「アプリ利用時は、トラブル対応のヘルプデスクがしっかりしたものを選んだ方がいい」と森村さん。「収入が一定額を超えると確定申告が必要となり、納税額が増え、社会保険料等に影響する場合があるので注意が必要」と助言する。
こうした活動はあくまで“小遣い”程度の補完的な収入で、多大な期待をしないようにしたい。森村さんは「頑張り過ぎは禁物。これまで蓄えてきた預貯金などを取り崩してまで、初期投資をするべきではない。振り回され、生活が楽しめないような事態は避けよう」と話している。(野島正徳)
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