楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」
医療・健康・介護のコラム
高齢の親の運転が心配、免許返納させるコツは…「もう年なのだから」はNGワード
「私が心配だから……」と伝える
――自主返納をするとどのような特典があるのでしょう?
小山: 警視庁の 高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧 では、その一例が紹介されています。
――リストを見て、「こんなにあるの!」と、正直、驚きました。
小山: 免許の自主返納の特典に関しては、全国各地で、趣向をこらしたユニークな内容が用意されています。高齢の親の運転が不安になり始めたら、自主返納の特典を何げなく話題にし、その反応をうかがって対策を練るのも一案です。
●ユニークな自主返納特典
(高齢運転者支援サイトより筆者抜粋)
――高齢の親に免許の返納を促したい場合、伝え方にコツはあるのでしょうか。
小山: 最も避けたいのは、頭ごなしに「もう年なのだから」と免許の返納を迫ることです。本人のプライドを傷つけるばかりか、怒りから、さらに聞く耳を持たなくなる可能性があります。過去には、免許返納を巡り家族と口論になり、放火事件を起こした男性の事例もありました。
――それは避けたい……。
小山: ポイントは「無理強いせずに納得してもらうこと」です。例えば、「視力が低下してきたから」など生理的な要因を具体的に指摘する。その際、主語を自分にして、「私が心配だからやめてほしい」と言うのもコツです。
「免許返納はしない」という結論に至った場合でも、「制限運転」(運転時間や場所などを選択して運転する)を提案するなど、家族が折に触れて伝えていくことも大事だと思います。
多くの人が頭を悩ませているであろう、高齢の親に対する免許返納の切り出し方。相手が受け入れやすい伝え方や、きっかけの話題づくりなど、選択肢をいくつか持っているだけでも違いますね! (楢戸ひかる マネーライター)
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