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子どもの健康を考える「子なび」

妊娠・育児・性の悩み

おなかのトラブル(7)乳幼児の膵炎 危険な状態に気付かないことも

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  このシリーズでは、大阪母子医療センターの恵谷ゆり消化器・内分泌科主任部長に聞きます。(聞き手・石川千佳)

 膵臓すいぞうは、胃の後ろにある臓器です。食べ物の消化を助ける酵素や、糖の代謝に必要なインスリンなどのホルモンを分泌する重要な役割をもっています。

 何らかの原因で炎症を起こすと、壊れた細胞からあふれた酵素によって膵臓自体やその周辺の臓器が消化されてしまい、とても危険な状態になります。多くの場合、強い腹痛に加えて嘔吐おうとや発熱、不機嫌といった症状がありますが、乳幼児では気付かないことがあります。血液検査で膵臓の消化酵素の値が異常に高かったり、腹部超音波検査やCT検査で膵臓が膨れた「膵腫大」などが認められたりすると、膵炎と診断されます。

 様々な全身疾患が膵炎の原因となるのは成人と同じです。しかし、子どもの場合は生まれつきの異常が、関係していることがあるので注意が必要です。例えば、膵臓の消化液が分泌される膵管と、胆汁が分泌される胆管の形の異常のほか、遺伝子の異常が原因となる遺伝性膵炎などもあります。

 膵炎の急性期は、絶食して膵臓を安静にし、組織の障害が進まないようにたんぱく分解酵素の働きを抑える薬を使います。ある程度、落ち着いたら食事を再開しますが、膵臓からの消化液の分泌をできるだけ増やさないように脂肪分の少ない食事をとるようにします。

 先天的な形の異常が原因の場合は手術による治療を行いますが、遺伝性膵炎については根本的に治す方法はなく、膵炎発作の頻度に応じて脂肪制限食や薬による治療を試みます。

恵谷ゆり 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医

【略歴】
 恵谷ゆり(えたに・ゆり) 日本小児科学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医。大阪市立大卒。大阪府立急性期・総合医療センター(現大阪急性期・総合医療センター)小児科、大阪母子医療センター消化器・内分泌科に勤務し、2017年から現職。

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