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コロナ禍で深まる「不安」「さみしさ」…SNSでの相談、24時間対応も

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コロナ禍で深まる孤立…SNSや24時間相談環境の整備

 Q  新型コロナウイルスの影響で、離れて暮らす家族や友人と顔を合わせる機会が減りました。

 A  感染防止のために仕方のない面はありますが、社会や地域とのつながりが減ったことで孤立したり、不安やさみしさといった孤独感を抱いたりする人は増えているようです。東京都健康長寿医療センター研究所が行った約3万人を対象にしたインターネット調査(2020年8~9月)によると、家族や友人との対面や通話などによる交流機会が「週1回未満」だった人の割合は、コロナの本格流行前(20年1月)の21.2%から27.9%に増えました。

 孤立感を深めやすい立場の人には、独居の高齢者、ひとり親、妊娠・出産期の女性などが多いと言われています。

 Q  孤立の危険はどのように表れるのでしょうか。

 A  社会的なつながりが弱いことは、「たばこを1日に15本吸うのと同じほど、健康に悪い」とする英国の研究もあります。

 日本では、20年の自殺者は2万1081人と、11年ぶりの増加に転じ、孤立との関連が指摘されるようになりました。21年の速報値では前年比251人減少しましたが、孤独・孤立の担当大臣を置くなど、長期的な取り組みも始まっています。

 Q  コロナ禍以前はどうだったのでしょう。

 A  少子高齢化や核家族化、労働市場の規制緩和といった社会構造の変化が進んでいました。その中で、独居高齢者の孤独死、非正規で働くシングルマザーの生活困窮など、孤独・孤立は深まっていきました。コロナ禍は、すでにあった問題を、私たちに改めて突きつけたとも言えます。

 Q  解決の難しい問題ですが、どうすればよいのでしょうか。

 A  まずは望まない孤立に対する支援環境を整えることが大切です。信頼できる人への相談が解決につながる可能性があります。

 既に電話やSNSによる相談や、24時間対応のサービスもあります。必要な時に相談できる環境整備が進みつつあります。

 ただ、相談に踏み切れない人もいます。住居や仕事を探すのに困っている人を積極的に見つけ出し、手を差し伸べる「アウトリーチ型」の支援活動を展開する民間団体を、行政が支援する必要もあります。

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