町田忍の昭和回想
回想サロン
緑青が 歴史を語る 生き証人
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
看板建築
関東大震災は、揺れたあとの火事による被害も大きかった。そのため、震災のあとに表面を銅板で覆って防火性を持たせた建物が出現した。
一般の民家だとシンプルな銅板をかぶせただけだが、商家だと趣向を凝らした模様を打ち出した銅板を使う、豪華な仕上げも少なくなかった。
イラストは都内の下町で見かけたもの。元々は民家だったと思われるが、後に飲食店に転用された様子で、現在は使われていないような感じだった。
後に「看板建築」と呼ばれるようになったこの仕上げ、月日を経て緑青を吹き、とても良い具合だ。現代の建物もぜひ、素材や装飾にこういった遊び心を生かしてほしいが、費用もかかるし職人も減ったし、なかなか難しいところだ。
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。