石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」
医療・健康・介護のコラム
豪華客船から「次の港で下ろして」と訴える妻も…定年後のごほうび 男が夢見る夫婦旅の現実
ある調査によると、男性の「定年後の夢」で多いのは、妻とのんびり、温泉旅行や海外旅行に行くことらしいです。ところが、肝心の妻の多くは、「旅行は楽しみたいけど、夫とは行きたくない」と思っています。旅行に行くなら、友人や娘、姉や妹とゆっくり楽しみたいのです。
妻の限界は「2~3日」
それでも、せっかく定年を迎えたのだからと、夫と旅行してくれる妻は少なくありません。
私の知り合いで、定年を迎えた夫に、「温泉に行こう」と誘われた人がいます。せっかくだからと一緒に行ったのですが、夫は旅館のサービスなどにダメ出ししてばかり。食事の時も無言で、テレビを見ている。「こんな旅行なら、ついて行かなければよかった」とぼやいていました。
観光地で一般に見られる老夫婦の行動は、夫は忙しく有名スポットを駆け巡って写真などを撮り、妻がそれに付き従うという構図です。景色が良かったりすれば、女性はゆっくりとその場で楽しみたいようですが、男性はできるだけ有名スポットをたくさん回りたいと意欲 旺盛 です。
私が講演旅行で興味深く観察するのが、ホテルや旅館の朝食会場です。定年後の夫婦と思われるカップルが多いのですが、全く会話がないので静かです。夫は朝刊を読み、妻は所在なげにスマホを見ているという感じです。たまににぎやかなグループがいるなと思えば、それは女性だけの観光客です。話題が尽きないのか、長い間、朝食会場にいました。
そうしたことから、夫婦の旅行はかみ合わないのが普通だと考えたほうがいいでしょう。多分、その限界は2~3日だと私は考えます。
一人で行動できない夫
最悪なのは、長期の船旅です。台所などがついた豪華な部屋だと、家庭の延長となってしまい、妻がお茶を入れたり、こまごまと夫の世話を焼いたりしなくてはなりません。このような夫の多くは、一人で行動できず、妻について回りますので、妻がくつろげる時間がありません。豪華客船で勤めている人に聞いた話では、時々、そのような妻から「次の港で下ろして飛行機で帰らせてくれ」などのリクエストもあるようです。
ただ、豪華客船は、毎日のようにいろいろなアトラクションが楽しめるようになっています。面白いことに、少し安めの狭い客室を利用している場合は、夫も妻も部屋にいる時間が少なく、それぞれの興味で別行動し、顔を合わせるのは食事の時ぐらいとなるため、あまりもめない……ということもあるようです。
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私は数年前に定年退職しました。そして、コロナ禍の直前でしたが、妻と9泊10日の大型客船の旅を楽しみました。現在はコロのナ影響で船旅はしにくいので、なおさら楽しい思い出となっています。乗船者には、やはり中高年の夫婦が多く見られましたが、皆さん楽しそうでした。私は専門家ではないので、統計的なことは分かりませんが、コラムには、ある一面が強調され過ぎているように思います。もちろん、定年後、それまでの会社中心の思考や生活様式を大幅に見直すことは必須だとは思います。
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