東ちづる 山あり谷ありダイアリー
医療・健康・介護のコラム
「楽園ネズミと植民地ネズミ」の実験でわかった 依存症が生まれる環境
自分だけでは抜けられない ぐるぐる地獄
今回も、前回に引き続き「依存症」について考えていきたいと思います。
前回のコラム「薬物依存から回復し続ける俳優と5分間のミニドラマ…炎上覚悟のふたり芝居に集まったエール」を読んで下さった方や、 ショートドラマ「弁解できない男」 を見て下さった方から、「もしかしたら自分も依存症なのかも!?」「ウチのお父さんもそうかも」「同僚が依存症だと思う」という声を複数頂きましたので。
「息抜きになるし、たまにはいいだろう」と思っていた飲酒やギャンブル、薬だったのに、じわじわと繰り返すことになっていた。今や、やらずにいられないのかも……と心配になる方もいるようです。大丈夫です。適切に対応すれば、回復できる「病気」ですから。
前回もお伝えしたように、やめられないのは脳の回路が変化して、自分ではコントロールできないという「病気」だからです。ですが、「病気」という認識をしにくいというのが厄介なんですよね。認識できていないので、やがて生活や人間関係がすさんでいきます。遅刻や不注意、判断ミスなどが増えたりして、自分の置かれている状況がヤバくなっていきます。その状況に焦り始めると、精神的にも不安定になります。その不安から逃れるためにも、やめたいのに手を出してしまうという、もうホント、悪循環ですよね。負のスパイラルぐるぐる地獄です。
しかも、体もボロボロ、本人はとってもつらいのに、周囲の理解はなかなか得られない。軽く捉えられたり、根性論で片付けられたり、親切心で安易に助けられて、かえって依存を助長することになってしまったり。パートナーや家族までも「あなたが至らないからじゃないの?」なんて責められてしまって、家族離散なんてことも少なくありません。
必要なのは、専門的な機関の助けです(前回を参照してください)。
1 / 3
【関連記事】
依存症当事者より感謝です
Tomy
依存症への正しい理解を深めるための啓発活動を率先していただき感謝しています。世間一般の方にもっともっと依存症の正しい理解を持ってほしいと切に願っ...
依存症への正しい理解を深めるための啓発活動を率先していただき感謝しています。世間一般の方にもっともっと依存症の正しい理解を持ってほしいと切に願っています。本当にありがとうございます。
つづきを読む
違反報告