文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

コロナ禍でもフレイル予防を! 全国8市町の首長が宣言~福岡で「フレイルの日」講演会

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 2月1日の「フレイルの日」に合わせて、「『フレイルの日』記念講演会2022」(スマートウエルネスコミュニティ協議会、日本老年学会、日本老年医学会など共催)が2月1日、福岡県飯塚市で開かれた。

 フレイル(虚弱)は、加齢による筋力の衰えなど心身が弱り、「要介護」になる前の状態のことで、「フレイルの日」は2020年に制定された。

 同市の片峯誠市長、阪口伸六・大阪府高石市長、森章浩・奈良県田原本町長が出席し、高橋由一・岩手県金ヶ崎町長、石山志保・福井県大野市長、山内守・京都府南丹市副市長、片山象三・兵庫県西脇市長、宮脇正道・鳥取県湯梨浜町長がオンラインで参加。8首長は「今後も健康長寿で生きがいのあるまちづくりを進める」などと決意を述べ、全員で「フレイル予防!コロナに負けない健幸都市宣言」を行った。

「コロナに負けない健幸都市宣言」を行った8首長ら(2月1日、福岡県飯塚市のイイヅカコスモスコモンで)

 宣言に先立って行われた講演会では、片峯市長が「新型コロナの影響で一定の行動制限を余儀なくされる生活が続いている。行動制限は、とくに高齢者の心と体に大きな影響を与え、コロナ後に介護が必要な高齢者が増えることが心配。今、何に気を付け、どのように過ごしていくかを知ることが大切だ」とあいさつした。

「社会とのつながり」保つことが大切

 予防事業に取り組む産学官組織「スマートウエルネスコミュニティ協議会」の大内尉義理事長は「フレイルには①身体的、②精神・心理的(うつ、認知症)、③社会的(貧困、独居)があり、75歳を超えると男女ともにリスクが高まる。『社会とのつながりを保つ』ことが大切で、趣味やボランティアの活動、地域活動を続ければリスクが減らせる」と紹介。コロナ禍でも、外出する機会を工夫しながら保つことをアドバイスした。

 続いて、「フレイルを測る」と題して、日本老年医学会理事長の秋下雅弘・東京大教授がオンラインで、具体的なフレイルの診断基準や予防法などを解説。とくに口の機能が衰える「オーラルフレイル」について、「半年前と比べて固いものが食べにくくなった」「お茶や汁物でむせることがある」などチェックすべき項目を紹介した。

外出やめると免疫が落ちる

 「人生100歳時代を元気で生き抜こう!」と題して講演した同協議会副理事長の久野譜也・筑波大教授は、「コロナだけを恐れて外出をやめてしまうと運動不足になって免疫が下がり、かえってコロナのリスクが上がる。コロナだけを見ない、というバランスが大切だ」と訴えた。さらに「80歳、90歳になったら、生きがいをあきらめてしまうのではなく、それを続けられるように心身のメンテナンスをしてほしい。『筋トレ』『歩行』『食事』『社会とのつながりの維持』を続けていくことが大切。ぜひ、一緒に外に出ましょう」と呼び掛けた。

 また、保健師の塚尾晶子さんが「90歳代でも海外旅行ができる体を維持できる運動を」と題して、「開眼片足立ち」「スクワット」「椅子の背もたれを使った腕立て伏せ」「肩周りの体操」「正しい姿勢でのウォーキング」などの方法を、スライドと実演を交えて説明した。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

最新記事