音楽家 宇崎竜童さん
メディアなどでお馴染みの芸能人、有名人だって、一人の人間として病気や心身の不調と向き合っています。苦しかった経験や、病によって気付かされたことなど、率直な思いをお聞きします。
一病息災
[音楽家 宇崎竜童さん]頭痛(1)「脳みその中からトンカチでたたかれているよう」…痛みの中で歌い続けた
「のたうち回るような」、「脳みその中からトンカチでたたかれているような」。激しい痛みが、ひどい時は、1日中続く。芸能事務所のマネジャーをしていた20歳代の頃から、片頭痛に悩まされるようになった。
1973年にデビュー。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」などのヒットを飛ばした「ダウン・タウン・ブギウギ・バンド」時代も、人知れず頭痛と闘っていた。
演奏開始直前に激しい痛みが始まったこともあった。「痛くてたまらないんだけど、外から見ても分からない。『頭が痛いんだけど』と言うわけにもいかないし、お客さんも入っている。どうしていいか分からないので、そのままステージに出ちゃってました」
何とか痛みを意識しないように気持ちを持って行きながら、約1時間半の公演が終了。打ち上げの席で、ふと気が付くと痛みが治まっているという、不思議な経験も何度かした。
市販の痛み止めを試してみたが、痛みは治まるどころか、ひどくなるばかり。かと言って、そのまま寝込んでも、ずっと痛い。
当時、片頭痛という病気について、あまり知らなかった。今、よく使われている治療薬もなかった時代で、病院にも行かなかった。
「母親も頭痛持ちだったし、遺伝なんだろうなあと。俺も頭痛持ちなんだと、あきらめていました」
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音楽家 宇崎竜童さん(75)
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