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熟練の「技」覚えたロボットが細胞培養、自動化で研究時間を確保…理研が神戸に拠点

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 理化学研究所などは2022年度、ロボットに細胞の培養などの実験を担わせる研究拠点を神戸市に設立する。再生医療や生命科学の分野で、研究者が多大な労力を費やす単純作業を自動化することで、十分な研究時間を確保して新たな治療法の開発などを加速させるのが狙いだ。

 研究に必要なiPS細胞(人工多能性幹細胞)などを育てて増やすには、培養液を交換する作業を定期的に繰り返すことなどが必要だ。さらに、実験では細胞の状態に応じて微調整するなど、技術者の経験に基づく判断も不可欠なため、これまでは自動化が難しかった。

 理研の神戸キャンパスに設立予定の研究拠点では、人の両腕のようなアームを持つロボットや顕微鏡、実験で用いる液体を試験管に注入する機器などを複数連携させたシステムを構築する。人工知能(AI)を使って熟練技術者の「技」を覚え込ませたロボットが、顕微鏡で撮影した細胞の状態を自律的に判断し、培養条件などを調節する。

 こうした作業の自動化は、重要な実験を何度も再現したり、研究不正を起こしにくくしたりするなどの利点もある。24年度まで実証実験を重ね、人の手を借りずに実験を進めるための技術の確立を目指す。

 計画には産業技術総合研究所、東京大などが参加し、産業ロボット関連企業も協力する。将来的には、数百台のロボットが稼働する実験センターを国内外に展開させて、利用を広げる構想だ。実験の工程自体を考えるAIの研究も並行して進め、人が気づかないような科学の新発見につなげる。

 プロジェクト代表の高橋恒一・理研チームリーダー(計算システム生物学)は「現状では、優秀な人材が朝から晩まで単純な作業を強いられることもある。ロボットとAIの力を使い、生命科学を発展させたい」と話す。

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