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眼底検査で将来の循環器疾患リスクを予測 軽度高血圧性網膜症で24%高い

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 国立循環器病研究センター病院健診部特任部長の小久保喜弘氏らは、都市部地域住民を対象としたコホート研究・吹田研究において、軽度高血圧性網膜症と将来の循環器病発症リスクとの関連を検討。その結果、軽度高血圧性網膜症患者の循環器疾患発症リスクは正常者より24%有意に高く、眼底検査が将来の循環器疾患発症リスクの予測に有用である可能性が示されたと、J Atheroscler Thromb( 2022年1月15日オンライン版 )に発表した。

大阪府吹田市在住の7,000例超を解析

眼底検査で将来の循環器疾患リスクを予測 軽度高血圧性網膜症で24%高い

(C)Adobe Stock ※画像はイメージです

 循環器疾患は、高齢者の死亡や要介護に多大な影響を及ぼすことが知られており、その予防は極めて重要である。眼底検査における中等度~重度の高血圧性網膜症は、将来の循環器疾患の発症を予測しうることが分かっている。しかし、軽度の高血圧性網膜症に関しては十分に検討されていない。

 そこで小久保氏らは、吹田研究に参加した大阪府吹田市の住民のうち、登録時に循環器疾患の既往がなかった7,027例(30~79歳、男性3,261例、女性3,766例)を対象に、軽度高血圧性網膜症と将来の循環器疾患発症リスクとの関連を検討した。高血圧性網膜症は、Keith-Wagener-Barker分類に基づき診断し、所見なしを正常群、グレードIおよびIIを軽度高血圧性網膜症群とした。なお、高血圧性網膜症の診断は、臨床上は高血圧患者に対して行うのが一般的だが、今回の研究では高血圧の有無にかかわらず、対象住民全員に対して行った。

脳卒中リスクは28%高い

 中央値で17年間の追跡期間中に、598例が循環器疾患を発症した(脳卒中351例、虚血性心疾患247例)。

 年齢、性、BMI、収縮期血圧値、降圧薬の使用、総コレステロール値、HDLコレステロール値、高脂血症治療薬の使用、心房細動、抗不整脈薬の使用、左室肥大、推算糸球体濾過量(eGFR)、空腹時血糖値の低下、糖尿病の既往、現在の喫煙、過度の飲酒を調整したCox比例ハザードモデルによる解析の結果、軽度高血圧性網膜症群では正常群と比べ、循環器疾患の発症リスクが24%有意に高かった〔多変量調整ハザード比(aHR)1.24、95%CI 1.04~1.49、P<0.05〕。同様に、脳卒中の発症リスクも28%高かった(同1.28、1.01~1.62、P<0.05)。一方、虚血性心疾患の発症リスクとの関連は認められなかった(同1.19、0.89~1.58)。

軽度高血圧性網膜症は、血圧が正常範囲内でも脳卒中のリスク

 眼底細動脈のびまん性狭細の有無別に検討したところ、非狭細群に比べ狭細群では、循環器疾患の発症リスクが24%高いことが示された(aHR 1.24、95%CI 1.00~1.54)。血柱反射による検討では、亢進群では非亢進群に比べリスクが33%高かった(同1.33、1.02~1.74)。

 また、血圧が正常範囲内(収縮期血圧140mmHg未満かつ拡張期血圧90mmHg未満かつ降圧薬非使用)であっても、軽度高血圧性網膜症群では正常群に比べ、脳卒中発症リスクが48%高いことが示された(aHR 1.48、95%CI 1.01~2.18)。

 以上から、小久保氏らは「軽度の高血圧性網膜症は、血圧、糖尿病などとは独立した循環器疾患発症の危険因子であることが示された。循環器疾患の発症予防において、眼底検査がリスクの層別化に有用だ」と結論。特定健診導入前は健康診断時に眼底検査が行われていたことを踏まえ、「特定健診・特定保健指導における眼底検査の必要性を再検討することが望ましい」と付言している。(編集部)

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