石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」
医療・健康・介護のコラム
「夫との時間が増えて体調が悪くなった」と言う患者が続々と…コロナ禍で仮面夫婦の試練
昔から「子はかすがい」と言われています。これは、子供たちが夫婦の仲をつなぐという意味ですが、良い意味では「子供への愛情から夫婦の仲がなごやかになり、縁がつなぎ保たれることのたとえ」と説明しているサイトもあります。しかし、多くの場合は、子供が生まれたことで、「夫婦仲が悪くなっても、子供が成人するまでは責任を取らなければいけない」という義務感が縁をつなぎとめるからではないでしょうか?
結婚後5年以内で夫が嫌になる妻は5割超?
以前、「妻の病気の9割は夫がつくる」(マキノ出版)という本を出版したとき、結婚している女性から夫への不満を、インターネットを通じていろいろと聞きました。その結果、「不満のない方が4%」ということでしたから、ほとんどの妻が夫に不満を持っているわけです。
「その不満はいつ頃始まったのか」と聞いてみると、驚くことに結婚前から不満があった女性は6%もいました。おそらく、結婚式に誰を呼ぶとか、どのような式にするとか、話し合っているうちに嫌になってきたパターンが考えられます。そして、結婚1年以内に夫が嫌になる妻が25%、3年以内に嫌になるのは14%、5年以内が11%と、結婚前から結婚後5年以内で夫が嫌になる妻が56%もおられました。10年以内に嫌になる妻も23%いましたので、結婚後10年以内まで広げると、実に約80%の妻が夫を嫌いになっています。
なぜ結婚早期に夫との関係がこじれるのでしょうか?
おそらく、結婚5年前後は、子供が1、2人できるころです。子育てをめぐって夫婦関係が悪化することは、以前から私も指摘しています。特に子育てを妻1人に任される「ワンオペ育児」に疲れ果て、産後クライシス(夫婦関係が悪化する)を経験する女性が多いのでしょう。
子供ができると、夫婦二人の恋愛関係に大きな変化が生じます。子供を含めた家族のあり方に対応できない夫婦が悩むのだと思います。特に、人生初めての大仕事ですから、どの夫婦も悩んだり、疲れたりすることは当たり前でしょう。
心身に異常をきたし、更年期障害のような症状
子供ができると容易に離婚はできません。夫婦仲が悪くなり、離婚もしにくい状態が現代版の「子はかすがい」かもしれません。非協力的な夫との生活がつらいと感じる女性の中には、さっさと見切りをつけてシングルマザーの道を選ぶ人もいるでしょう。しかし、経済的な基盤がなければ、女手一つで子供を育てていくのは大変です。多少のことには耐え、夫婦生活を続けていった女性が、その無理がたたって心身に異常をきたし、更年期障害のような症状に苦しむことがあります。私は、それを「夫源病」と名付けました。
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