文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

早発閉経で妊娠困難 国内で卵子提供を受けられず、海外はコロナで行けず、絶望

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

簡単には子供をあきらめきれない

 このような体験談を書くと、「子供ができないならあきらめて、二人の人生を頑張って生きていけばいい。子供を持つだけが幸せではない」「養子縁組すればよい」という意見が出るのですが、人間の気持ちとは、そんなに簡単なものではないのです。

 ご夫婦で意見が一致しないという相談をたくさん受けてきた私が思うのは、男性側に不妊の原因がある場合は、奥さんがご主人に歩み寄る、女性側に不妊の原因がある場合は、ご主人が奥さんに歩み寄る、この歩み寄りがないと夫婦生活そのものが長く続かないのではということです。

歩み寄りができず離婚する夫婦も

 歩み寄りができずに離婚してしまうご夫婦は、残念ながら存在します。不妊に限らず、どちらかが病気になった時も、支えることができないと言って離婚してしまうご夫婦もいます。相手を理解することは、夫婦にとってとても大切なことだと感じています。

 以前、「精子の情報を開示した婚活パーティーが大盛況」という記事を目にしたことがあります。一見すると、とても合理的なように見えますが、私は少し疑問を感じました。

 確かに、相手の生殖能力について知った上で結婚すれば、子作りについてトラブルにもならずに済むのかもしれません。しかし、「子供が産めるなら結婚するけれど、産めないなら結婚しません」という発想で、果たして思いやりのある夫婦生活が長く続くのか? 私には甚だ疑問です。

 「卵子や精子の提供は優生思想だ」という意見が昔からありますが、このお見合いパーティーは「子孫を残すことに特化したハイスペックな婚活パーティー」という内容のようでした。このようなお見合いパーティーも、度を越せば優生思想につながりかねないのではないか?と思ったりもします。

 生殖能力の有無で結婚相手に選ばれないというのは、寂しい感じもします。生殖能力のある相手を見つけること自体を否定はしませんが、どんな子供が産まれてくるのかは誰にも分かりません。このようなパーティーで相手を見つけた人が、果たして自分の意に添わない子供が産まれてきても、愛情深く最後まで育てられるのか? 私には疑問です。

 卵子、精子提供でも同じです。どんなにハイスペックな遺伝子を選んだとしても、この世に100%の保証はありません。生育環境が悪ければ、せっかくの才能を発揮できないかもしれません。医療技術の進歩というハード面と、思いやりにあふれた親子愛というソフト面のバランスがとても大切なんです。

2 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

nakasatomi_prof_ver2

なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」の一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

国内での卵子提供の実現をぜひ!

まこりん

私も早発閉経で子どもを持つことを諦めざるを得ませんでした。結婚が遅かったこともありましたが、結婚してすぐ妊娠して喜んだのもつかの間、8週で自然流...

私も早発閉経で子どもを持つことを諦めざるを得ませんでした。結婚が遅かったこともありましたが、結婚してすぐ妊娠して喜んだのもつかの間、8週で自然流産。その後、生理は1年以上来ず、婦人科を受診すると卵巣機能低下症と診断され…。ホルモン補充等も行いましたが、妊娠はできず、ミューラー管ホルモンも検出限界以下しかなく、自力の妊娠は無理と…。自身が医療従事者であり、不妊治療をうける方々を見てきたものの、まさか自分が当事者になるとは思っていませんでした。それから卵子提供等、色々調べましたが国内ではできず、かといって海外にも行けず、どれだけ泣いたことか。今は夫婦二人の生活で、楽しくは過ごしていますが、ここに子どもがいたらもっと人生がバラエティーに富んで楽しかったのではと思ってしまう自分がいるのも事実です。なんとか道を開いてほしいと思います。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事