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なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

早発閉経で妊娠困難 国内で卵子提供を受けられず、海外はコロナで行けず、絶望

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 みなさん、こんにちは。なかさとみです。コラムでは毎回、卵子提供について色々と書いています。今回は「早発閉経のMさん」についてお話ししたいと思います。

 日本では、卵子提供と聞くと、卵子が老化した高齢の女性が希望するものというイメージが強いかと思いますが、卵子提供を希望する方の中には、早発閉経で悩む若いご夫婦も少なくありません。

32歳で「卵巣不全」「妊娠が難しい」

 Mさんは27歳の時に3か月間、生理が来なくなりました。病院で診察を受けて薬を処方してもらうと、周期は遅いけれど生理が来たので気にしていませんでした。28歳で結婚しましたが、32歳の時に生理が来ないことが多くなり、病院に行きました。すると「卵巣不全」と言われ、「妊娠が難しい」と言われてしまいました。

 Mさんは最初、養子を希望しましたが、夫婦間で意見が合わず、「子供はあきらめなければいけない」「夫婦2人の生活を受け入れなければいけない」と一生懸命に思ったのですが、子供をあきらめることはとても難しいことでした。「なぜ、女性に生まれたのに子供が産めないの? 私は何のために生きているの?」と思い悩む日々が続きました。

国内での卵子提供はハードル高く

 更に夫婦で話し合いを重ね、Mさんは35歳の時、卵子提供を視野に入れ、ネットで国内のNPO法人「OD-NET(卵子提供登録支援団体)」を見つけたのですが、レシピエント(被提供者)の受け付けはしていませんでした。

 また、一部の不妊治療クリニックで作る団体JISART(日本生殖補助医療標準化機関)は卵子提供にも取り組んでいますが、ドナーは自分で身内から探してくることが条件となっており、Mさんはドナーを見つけることができませんでした。

 Mさんは当時を振り返り、「絶望の日々だった」とおっしゃっていました。37歳の時、海外で卵子提供を受けることを決めたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大により、海外への渡航ができなくなり、妊娠できないまま、39歳になってしまいました。

 私は、Mさんのような早発閉経の若いご夫婦が、スムーズに国内で卵子提供が受けられずに年齢を重ねてしまうことに、強い憤りを感じてしまうのです。本来、卵子提供とは、高齢の女性が子供を持つというよりは、Mさんのような早発閉経の若い女性が子供に恵まれるための不妊治療の選択肢の一つであると思うのです。Mさんが35歳で卵子提供を決断された時、すぐに国内で卵子提供を受けられれば、もっと若いうちにお子さんに恵まれたかもしれないと思うと、とても悔しく残念な気持ちでいっぱいになります。

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なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

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1件 のコメント

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国内での卵子提供の実現をぜひ!

まこりん

私も早発閉経で子どもを持つことを諦めざるを得ませんでした。結婚が遅かったこともありましたが、結婚してすぐ妊娠して喜んだのもつかの間、8週で自然流...

私も早発閉経で子どもを持つことを諦めざるを得ませんでした。結婚が遅かったこともありましたが、結婚してすぐ妊娠して喜んだのもつかの間、8週で自然流産。その後、生理は1年以上来ず、婦人科を受診すると卵巣機能低下症と診断され…。ホルモン補充等も行いましたが、妊娠はできず、ミューラー管ホルモンも検出限界以下しかなく、自力の妊娠は無理と…。自身が医療従事者であり、不妊治療をうける方々を見てきたものの、まさか自分が当事者になるとは思っていませんでした。それから卵子提供等、色々調べましたが国内ではできず、かといって海外にも行けず、どれだけ泣いたことか。今は夫婦二人の生活で、楽しくは過ごしていますが、ここに子どもがいたらもっと人生がバラエティーに富んで楽しかったのではと思ってしまう自分がいるのも事実です。なんとか道を開いてほしいと思います。

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