町田忍の昭和回想
回想サロン
緊張の 気持ち和らぐ 鳩がでる
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
カメラ
絵は知り合いから頂いた「蛇腹式」カメラで、昭和20~30年代ぐらいのもののようだ。 レンズの筒の部分を折りたたみ、コンパクトに収納できる。ケースは本革をあしらい、高級感たっぷりだ。すべての操作が手作業のアナログ式で、1枚撮るのにも時間がかかった。
当時の最先端のハイテク機械だから、子どもたちのあこがれの的だったが、普通の家庭が簡単に買える値段ではなかった。子どもの頃、近所の大学教授が持っていたので、お願いして我が家の記念写真を撮ってもらったことを覚えている。ちなみに蛇腹式の時代は、写真を撮るときに緊張をほぐすため、カメラマンが「レンズから鳩が出ますよ」と言うのがお約束だった。
写真は、大きくなった私が1970年に買った物だ。今なお現役。ピントあわせからフィルム巻き上げまですべてアナログ式だ。デジタルカメラに比べ、自分で操作しているという実感があり、そこが楽しさを感じさせてくれる。
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