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Dr.イワケンの「感染症のリアル」

医療・健康・介護のコラム

「南アでピークアウトしたから日本でも」は本当か?

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外的妥当性について考えてみよう

 南アフリカのオミクロンが早期に収束したから、日本のオミクロンも早期に収束するだろう。そういう意見をあちこちで耳にします。そうなればよいとは思いますが、そうなるとは限らないのが、難しいところです。

 これはつまり、「他人に起きることは、自分に起きるとは限らない」という話です。専門的に難しく言えば、「外的妥当性(がいてきだとうせい)」ということです。

 外的妥当性とはどういうことか。

 例えば、ある人のある病気にAという薬を使いました。患者さんがよくなりました。別の患者さんが同じ病気でやってきました。はたしてAという薬は効くでしょうか。

 このとき、この患者さんにもAという薬が効くのであれば、外的妥当性はあり、ということになります。しかし、前の患者さんでは効いたのに、次の患者さんでは効かなかった場合は、これは外的妥当性がなかった、ということになります。

 厳密に言えば、ぼくらはみんな、別々の人で、一人として「まったく同じ」な人物はいません。たとえ一卵性双生児であったとしても、生まれた後の生活はまるで同じ、ではありませんから、この双生児の二人も「別の人」です。よって、「あの人に起きたことがこの人に起きる」、100%の保証はどこにもありません。

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岩田健太郎(いわた・けんたろう)

神戸大学教授

1971年島根県生まれ。島根医科大学卒業。内科、感染症、漢方など国内外の専門医資格を持つ。ロンドン大学修士(感染症学)、博士(医学)。沖縄県立中部病院、ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院、同市ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院(千葉県)を経て、2008年から現職。一般向け著書に「医学部に行きたいあなた、医学生のあなた、そしてその親が読むべき勉強の方法」(中外医学社)「感染症医が教える性の話」(ちくまプリマー新書)「ワクチンは怖くない」(光文社)「99.9%が誤用の抗生物質」(光文社新書)「食べ物のことはからだに訊け!」(ちくま新書)など。日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパートでもある。

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