大人の健康を考える「大人び」
医療・健康・介護のコラム
マラソン夫婦(6)「体を動かす趣味」と「頭を使う趣味」を一つ以上持つ
このシリーズでは、内田さん夫妻が、日常生活で取り組むトレーニングの実例などを交えながら、高齢者向けに健康づくりの秘訣を紹介します。(松田俊輔)
フルマラソン完走時に夫婦の合計年齢が「170歳30日」という最高齢のギネス世界記録を持つ大阪府枚方市の内田 昌詞 さん(89)、良子さん(85)夫妻に、ランニング以外の趣味について聞いてみた。
毎週日曜、2人はきまって大阪府枚方市にある自宅近くのスポーツ施設に出かける。到着後、着替えるのはいつものランニングウェアではなく、Tシャツと短パン。ラケットを手に卓球台の前に立ち、ラリーを楽しんだ。
卓球は、50年以上続けている共通の趣味だ。マラソンなどと比べると、体への負担が少なく、高齢者でも親しみやすい。目や握力などマラソンでは使わない体の部位を鍛えられるのも魅力だという。屋内スポーツなので、雨の日も楽しめる。
このほかにも、登山や水泳、クラシック音楽の鑑賞など、様々な趣味を共に楽しんできた。「体を動かす趣味」と「頭を使う趣味」をそれぞれを一つ以上持つよう心がけてきたという。こうした趣味の予定が日々の生活を彩る“スパイス”の役割を果たしている。
趣味を共有すると共通の話題ができるため、夫婦円満にもつながっている。上達のコツやトレーニングの案など、話題はつきない。「20代の時に結婚してから60年以上たつが、いまだに会話には困らない」と昌詞さんは笑う。
良子さんは着付けや和裁、茶道など、スポーツ以外の趣味も持つ。俳句を題材に絵を描く「俳画」も楽しむ。「体を動かすだけでなく、集中力を高めることも、健康を保つ一助になっていると思います」と良子さんは話す。
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