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教えて!ヨミドック

医療・健康・介護のニュース・解説

子どもは声を出さずに溺れる…入浴中の事故を防ぐには?

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教えて!ヨミドック

   今日は子どもと一緒にお風呂に入ろう。

  ヨミドック  いいですね。でも、子どもから目を離さないでくださいね。

   溺れても、声で気づくから大丈夫よ。

   溺れる時、声を出すとは限りません。日本小児科学会の2019年の調査では、浴室で子どもが溺れた経験のある保護者1156人のうち、86・5%が「(子どもが)悲鳴や助けを求める声を出していなかった」と答えました。

   え、本当? 

   兄弟2人と自宅で入浴していた母親が、弟の体を洗っている間、3歳の兄は浴槽にいましたが、気がつくと姿が見えず、あおむけに沈んでいました。すぐ引き上げて救急搬送し翌日退院できました。18年の事故です。

 消費者庁によると、10年12月~21年5月に、家庭での入浴中の事故は14歳以下の子どもで74件発生しました。

   怖いわね。

   5分以上沈んだままだと、脳に重い障害が残り、寝たきりになることもあります。そうでなくても、肺に水が入ると、肺炎になります。

   浮輪を、入浴時に利用する人もいるけど……。

   同学会が保護者5548人に聞いたところ、浴槽内で浮輪を使ったことがある人は約2割いました。ただ、子どもはじっとしていられないことが多く、浮輪から乗り出すなどすると、安定を保てなくなる危険があります。

   浮輪から、はずれちゃうの?

   日本技術士会登録「子どもの安全研究グループ」の実験では、浮輪の傾きが水面から25~30度を超えると、転覆し始めることがわかりました。浮輪が安定するのにも限界があります。転覆は数秒で起こり、子どもは逆さ宙づり状態で水に頭がつかってしまうことになります。自力で起き上がることは難しいとされています。

   そうか。なるべく使わないことね。

   大事なのは、子どもだけでお風呂に入れず、溺れても手の届く範囲内に大人がいること。目を離さざるを得ない時は、異変に気づけるように子どもと会話を続ける、また、いったん子どもを浴槽から出す――など工夫してほしいですね。

 (余門知里/取材協力=坂本昌彦・佐久総合病院佐久医療センター小児科医長、小田部譲・子どもの安全研究グループメンバー)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト、ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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